1. はじめに
マズラプです。88回目の投稿になります。
今回は、以前読んだ「採用基準 地頭より論理的思考より大切なもの」(伊賀泰代) を紹介する記事となっております。こちらの本は、第1回目の記事でも参考文献として使用しました。
今回の記事は、この本にはどのようなことが書かれているのかということや、私が読んでみて印象に残ったことを書くことで、大まかなイメージを持ってもらい、この本を読むきっかけになればいいなと思い、作成しました。
今回の内容だけでも参考になることもあるかと思いますので、どうぞ読んでいっていただければと思います。
2. 「採用基準」(伊賀泰代) に書かれている内容をざっくり紹介
ではさっそく、「採用基準」(伊賀泰代) に書かれている内容について、非常に簡潔にお話しします。
ズバリ、この本は、7割ぐらい「リーダーシップ」について書いています。
リーダーシップとはこのようなものだ、リーダーシップを持つことでこのような良い面がある、といったことが多く書かれています。
以上です。
この本のタイトルは採用基準ですが、大部分がリーダーシップのことについて書かれています。私はそう感じました。タイトルを「採用基準」から「リーダーシップ」に変えたほうが良いんじゃないかと考えたくらいです。まぁ、サブタイトルで目を引くような格好なので、そんなに問題はないとは思いますが。
実際、この本は「はじめに」と「おわりに」を除き9章で構成されているのですが、その9章のうち7章分のタイトルに「リーダー」もしくは「リーダーシップ」という言葉が採用されているのです。つまり、9章中7章分は、リーダーシップに関連した内容が書かれていると考えることができます。そして、9章のうちの7章分ということは、大体78%を占めることになります。したがって、「はじめに」と「おわりに」を含めて考えても、本全体の少なくとも70%はリーダーシップに関することが書かれていると言っても、過言ではないと思われます。
では、なぜタイトルが採用基準なのかということについて説明します。
この本の著者である伊賀さんは、「マッキンゼー・アンド・カンパニー」の採用マネージャーを12年務めていたそうです。そして、そのマッキンゼーへの人材採用の基準に、リーダーシップが大きく関わっている、ということから、この「採用基準」というタイトルが付けられたのではないかと思います。本の内容でも、マッキンゼーの採用基準について説明し、そこでマッキンゼーにはリーダーシップを重視していると述べてから、次の章からリーダーシップについての内容が展開されるという流れがとられています。
というわけで、「採用基準」は、マッキンゼーの採用基準、そしてリーダーシップについて書かれている本なのです。
私は「採用基準」を読んでみて、リーダー、そしてリーダーシップの認識が大きく変わりました。そして、自分もリーダーシップを持っていこうと考えるようになりました。上記でタイトルを変えた方がいいと述べましたが、それは、私がこの本を読んで大きな学びを得られたことの表れであり、もっと多くの人にこの本を読んでもらいたいという思いからの言葉です。それくらい、本書を読んでみて良かったと思いました。
3. 印象に残った内容を簡単に紹介
前項では、本書に書かれている内容を非常にざっくり説明しました。本項では、私が本書を読んで印象に残ったことを中心に、本書に書かれている具体的な内容について、3つ簡単に触れようと思います。
◯リーダーシップはメンバー全員が持つべきである
本書では、「リーダーは、チームの使命を達成するために必要なことをやる人」というようなことが述べられています。リーダーシップのある人も、ほぼ同義であると言えます。したがって、リーダーシップのある人は、チームに何人いても良い、むしろチームのメンバー全員が持っていた方が良いのです。
日本においては、リーダーシップは「長」がつく人が持つものという考えが根強く存在していると思います。私もそうでした。しかし、それは間違いだったのだという気付きを得ることができました。
◯「船頭多くして船山の登る」における「船頭」はリーダーではない
「船頭多くして船山に登る」ということわざがあります。本書では、このことわざにおける「船頭」は「リーダー」ではないと述べられています。前述の内容から、リーダーシップのある人は、「成果を出すこと」を「自説が採用されること」よりも優先するため、船が山に登ることなどないのです。
そもそも、「船頭多くして船山に登る」は「指図する人が多すぎると混乱して物事が混乱してうまく進まず、とんでもない結果になる」というような意味のことわざです(船頭多くして船山に上るとは - コトバンクより)。しかし、このことわざにおける「船頭」を「リーダー」と解釈している人も少なくはないと思います。かくいう私もそのうちの一人でした。
このことわざを用いたからも、私のリーダーに対する認識が大きく変わったので、非常に印象に残っています。
◯「アメリカは個人主義、日本組織力」ではなく「アメリカは組織力、日本は個人主義」
本書では、アメリカはチームワークやリーダーシップの養成において力を入れているのに対し、日本はその点においては不十分である、というようなことが述べられています。
日本では、進学の合否が、個人の成果物によってのみ判断されます。私自身の経験においても、その通りでした。しかし、アメリカでは、過去のチーム体験やチームで出した成果、そのチームで果たした自分の役割や発揮したリーダーシップについて詳細に問う過程が存在するのです。
このことからも、日本におけるチームワークやリーダーシップの養成や重要性の認識はまだまだ不十分であると考えられます。私も、このことを読んで、明確な事実から日本教育に欠けていると考えられる部分を認識することができました。
以上となります。上記で述べた他にも、興味深い内容が数多くありますので、気になった方は、ぜひお手に取っていただければと思います。
4. おわりに
今回の内容は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。
今回の記事は、私が本を読んで感じた第一印象の「この本リーダーシップのことしか書いてないじゃん」をもとに作成しております。(実際はリーダーシップ以外のことも書いてます!) 何かに触れて、自分なりの感想を持つことは大事ですね。多分。今後もこういった形の本紹介もできればなと思います。
では、今後もよろしくお願いします。
5. 参考文献
・「採用基準 地頭より論理的思考より大切なもの」, 伊賀泰代, 2012, ダイヤモンド社
https://www.amazon.co.jp/採用基準-伊賀-泰代/dp/4478023417