はじめに
マズラプです。310回目の投稿です。
今回は『「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい 4』の感想を書いていきます。
※ネタバレありです
本シリーズの感想ブログは「語りたいことを挙げつくす」をモットーに書いています。
めちゃくちゃ長いですが、本編が500ページ超えでかつ私の好みにぶっ刺さっているので、仕方がないのです。
『お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい 4』を読んで、特に印象に残ったこと3選+α
チルドレンたちとの死闘で描く人間らしさ・人間讃歌
ミュートとキリル
自分たちの存在を覚えていてほしかった
ミュートがキリルに手を差し伸べたのは「兵器として、人として、両方の意味で、誰かにどんな形でもいいから、自分たちの存在を覚えていてほしかったから」という事実は、とても印象的でした。
「そういうことだったのかよ…………!」と切なさで胸が締め付けられましたね。
このシーンに限らず、『代替可能な兵器として育てられてきた人(子供)』の、解像度が高いくて、かなり沁みました。
「人間であるから、もちろん感情もある。しかし、今まで兵器として育てられてきたため、存在の示し方が兵器としてのものしかない。そのうえ捨てられるから未来もない。そんな彼らの考えることは……」の描かれ方に、幾度も心を震わせられましたね。
『ただの主人公たちの行手を阻む敵』で終わせず、敵側の内情も深く描き出すのは、感傷を感じられて好きです。
「生きてる。それだけで、可能性、ある」
「なのに、どうして、自分のしたいこと、しない?」
今回の4巻で、胸を熱くさせられた言葉の1つです。
私自身にも刺さりました。
ミュートはもうすぐ死ぬ未来が決まってしまっているから、可能性がない。それは裏を返せば「もうすぐ死ぬ未来がない=生きているのならば、それだけで可能性はある」ということと言えるのです。
もう死ぬしか道が残されていないミュートが言うからこそ、並々ならぬ重みを感じられ、心に響き渡りました。
ミュートを庇おうとするキリル
「自分の心を動かしておいて助けるなだなんて、都合が良すぎる」「無駄死にする姿を眺めているだけなんてできない」と、ミュートを庇おうとするキリルも印象的でした。
こういう行動とれるのも、人間らしさを感じられましたね。
「助けなくていい」「オーケーわかった見捨てるね」なんて、人間らしくないですもんね……!
「さよ、なら……みん、な……」
ミュートがオリジンコアを発動させる場面も感情が溢れましたね~……!
最後に「きり、る……」と、キリルの名前を口にしたのに、本当に心揺さぶらました……!
意識がなくなる間際、最後に思い浮かべる中にキリルもいる、そしてマザーとチルドレンと同格の中に、キリルの名前もあるという…………!
それほどまでに、ミュートにとって、キリルは大きな存在になっていたのかなと伝わってきましたね……!
また、ミュートが最後の最後に死にたくないと思ったのは、もしかしたらキリルが逃がしてくれたからだったりするのかなって……!
死を覚悟していても、心が揺らいでしまうという、人らしさが描かれているようで。
「チルドレンたちも人なんだ」と、伝わってくるようで、沁みました。
自分の望みを貫き通す、勇気の力だ
「勇者に必要なのは、自分の望みを貫き通す、勇気の力だ」も印象に残りました。
「勇気は、すべきのような理性による合理性じゃない。自分がこうしたいという我を押し通すためのもの」という考え方には、胸が熱くなりました。
これも、想いがあるからこそ、その想いを通すために逆境を跳ね除けていくというような、想いの力の表れであり、想いを抱ける人間の強さを示しているのかなと感じました。
そしてその勇気を力に変えられるのが、人類の英雄たる勇者というのも、印象的でしたね。
「想いの力を扱えるのが人間の英雄の象徴=人間は、想いを力に変えられる存在なんだ」と言っているかのようで、人間讃歌を感じられました。
そして終盤、赤い糸から、キリルにミュートの声が届いたシーンも心が震えました。
キリルがミュートの“兵器としての死"を止めたから、「兄妹のために死ぬ」という、望んだ命の使い方をできたということですよね……!
そして紡がれるミュートの言葉も良くてぇ……!
ミュートのたどたどしい口調の、一言一言に大きな思いが乗っているような感じがして、読んでいて感情がこみ上げてきました。
さらに『今、その言葉から受け取るべきは悲嘆ではない。こんな姿になってもなお、恩に報いた彼女の、尊き勇気である__』も、感情が溢れてきました。
「赤い糸になった状態でもなお、キリルに恩を返したいという、自分のやりたいことをやり通す、我を通す強い思い、それすなわち『勇気』」ということですよね……!
この文言はアツかった……!
そして、そんな想いの力を原動力としたということは、やはりミュートも紛れもない人間だったんだなと、胸がいっぱいになりました。
胸熱で人間味溢れるフウィスVSガディオ
ガディオとフウィスの戦いも、”人間味"を感じられて、胸を熱くさせられました。
塔を作るガディオ
ネクトの接続の能力で、建物をくっつけまくって塔のような剣を作り、それを操ってフウィスの能力と打ち合うガディオも印象的でした。
もうね、笑っちゃいましたよ!笑
3巻の、サティルスの攻撃を耐えた時もそうですが、ガディオさんは「気合!ゴリ押し!根性!」みたいな感じなんですよね……笑
フラムもガディオも死にものぐるいで人間離れした攻撃を繰り出してるのに、ガディオのほうは笑ってしまうのはどうしてなんでしょうね……。
なんならガディオは寿命まで削っているのに……。
でもこの、精神論やロマンを感じさせる攻撃方法もまた、人間的なものであり、本作を象徴するキャラクターの1人だなとも思わされます。
いやでも、笑っちゃいますね。
フウィスの人間味
ガディオの一騎打ちにのったフウィスも印象的でした。
ガディオの剣が完成する前に妨害するという手段も取れたはずです。しかし、あえて真正面からのぶつかり合いを望んだその姿から、人間らしさを感じました。
フウィスも確かに兵器だけど、同時に確かに人間の男の子なんだなと思わされました。
お互いの最強のぶつかり合いを望むのは、ロマンですものね。
こういう熱さの部分からも人間性を描いているのは、巧いなと思いました。
「普通の人間だって、そううまく生きていけるものではない」
ガディオのこの言葉、そして後に続く
「うまくやれる人間は、復讐に命を捧げようなどとは思わんからな」
「思ってたほど、人間って特別じゃないのかなぁ……」
には、胸を熱くさせられました。
この言葉の重み……! まさにガディオだからこそかけられた言葉だなと…………!
「愛する妻や仲間たちを守れずむざむざ1人逃げ帰ってきて、残されたケレイナやハロムのためではなく、あくまで復讐のために人生を捧げる決意をした」というガディオの背景を思い浮かべると、この言葉に込められた思いを感じられ、込み上げてくるのもがありました。
確かに化物は悪ですが、人間が清廉潔白かって言われると、全然そんなことないですからね。
「人間誰しも息苦しさを感じている=清廉潔白なわけじゃないから、生きていていい」という風にもとれますね。
私自身も生きる気力をもらえましたし、良くも悪くも溢れる“人間味"に、ガディオのこともまた好きになりました。
この結末を見て、ガディオとフウィスは、かなり良いマッチアップだったなと唸らされました。
そしてこのガディオとフウィスの戦いを経て、4巻は「兵器な人間との戦いで、人間らしさ、人間讃歌を描いている巻」なのかもと思いました。
まぁでも、普通の人間は塔を振り回すなんてできないけどね!
あくまで「化け物の力に頼らなくても、想いの力があれば、どこまでだって強くなれる」という、想いの可能性に惹かれたニュアンスですよね。
そういうことにしておきましょう。
兄妹のために命を使うことに決めたチルドレンたち
チルドレンたちが、サトゥーキの手術を受けることにした理由が明かされたときにも、胸がいっぱいになってしまいましたね……。
まさか「ネクトの手術を成功させるための、いわば練習台」だったなんて…………!
読んでいた時は「うわぁ……」「マジかよ…………」となってしまいましたね。
たしかに、よっぽど人間らしい命の使い方だけどさぁ…………!
「さすがに万事解決、幸せハッピー」は無理そうだなと思っていました。思っていたけど、やっぱ……辛いです…………!
手のひらを返したり「ごめん、ね」だったりのミュートの心境を思い出すと、胸が…………
でも、チルドレンたちは「兵器として死ぬこと」よりも「生きて人間らしく生きること」よりも、「兄妹のために死ぬこと」を選んだということですよね…………!
自分のために生きるんじゃない、大切な人のために死ぬなんて、チルドレンたちは、兵器なんかじゃない、紛れもなく絆を持った家族だよ…………!
どんどん露になっていくチルドレンたちの人間らしさに、込み上げるものがありました。
傷つき、果てに人間性を捨てていくフラム……
4巻での激闘では、苛烈な攻撃を受け傷つくフラムも印象的でした。
光の矢に体を貫かれる
女の子を庇って、幾重もの光の矢を身に受けるフラムの姿は、脳裏に焼き付きました。
絶叫が、やがて息が漏れ出るようなものに変わっていく様子には、本当に息が詰まりそうになりましたね。
描写の数々から、耐え難い苦痛に悶絶するフラムの姿がありありと想像できてしまって、胸が引き裂かれそうになりました。
やっぱり、痛覚ありの再生はダメですよッ……!
最初の頃は癖だ!って喜んでたんですけど、健気な女の子が何度も捨て身で苦痛を味合う姿を見ていると「ダメだよ……」という気持ちの方が勝ってくるようになりました。
捨て身というか自己犠牲というか、肉を切らせて骨を立つどころか「肉を切られて骨も折られるけど生きてるからセーフ」が成り立って選択肢になっちゃうのが、本当に良くなくてぇ……!
でも、こうやって見ず知らずの誰かを守る選択をとれるような人だからこそ、ミルキットの愛するご主人様ななのかもしれないなと、そうも思いました。
ルークとの死闘、新戦術会得による苦悩と葛藤
まず、二重駆動を発動させたルークに、体をねじられまくるフラムが印象的でした。
頭の上半分を回転させられて嘔吐するとか
内蔵が潰れ、血が口から吐き出されるとか
頭を回転させられ、反転の魔力を流し、魔力同士のぶつかりによる衝撃で頭がとけるとか
這いずり逃げようともがくとか
そして不可視のアッパーで、顔含む頭部前半分を喪失するとかぁ!
エグいてぇ!
私の癖を超えてくるレベルの物理的負傷に、戦慄しましたね……!
顔前半分の損失とか、もう萌えとか言ってられる次元を超えてるよ……!
でも、それでも悲痛さと同時にがんばるフラムに萌えを感じてしまうんですよね…………!(癖)
そしてさらに、前頭葉が失われ理性が吹き飛んだ結果、「指に魔力を込めて飛ばす」という、理性ぶっとびの起死回生の一手が放たれたのも、衝撃でした。
もはや「肉を切らせて骨を断つ」を超えて、「肉を飛ばして骨を断つ」をはじめたフラムに驚きを隠せませんでしたね……!
もう「痛み度外視しで体を犠牲にする」のレベルを超え、「体を飛ばして武器にする」という、『再生をめいっぱい攻撃的に使う」行動に、フラムの”人間じゃなくなってきている"感を感じてしまいましたね……。
そしてなんといっても、その後正気に戻り、自分がやっことを許容できず、うなだれるフラムが……! 苦しすぎて…………っ!
「自分の意思で体を切り離して武器にするのは違うって……」「こんな戦い方に慣れてしまった自分が、普通の生活に戻れるのだろうか」の果てに、それでも「死んだら全部終わり。綺麗に戦っても生き残れなきゃ意味はない」と言い聞かせ、割り切る様子が、本当に辛くて……もう見てられないレベルでした……!
え、エグすぎる……っ
「強すぎる相手」だけが障害なのではなく、「強すぎる相手と戦うには、自分も人間性を捨てなければならない」ということもまた、障害だったということなんですね……。
「敵が強すぎるだけで辛いのに……もうやめてくれよぉ…………!」と思わずにはいられませんでしたね。
フラムの体と心をズタズタにする展開と、それでも立ち上がり立ち向かっていくフラムに、感情をグチャグチャにされたVSルーク戦でした。
人格を流し込まれるフラム
マザーに人格を流し込まれるフラムも印象的でしたね。
こめかみから管を入れられるとか、脳にドロドロとした液体を流し込まれるとか、しまいにはそれらが全身に及ぶとか、人格を上書きされそうになるというシチュエーションとか……
そして、それらに悶えながらも必死に抗おうとする様子が本当にすごくて……!
ぞわぞわがすごくて、何かに目覚めそうでした……(もう目覚めてる)
バリエーションに富んだうめき声もよかったですね〜。
「あ……あっ、あがっ、ぎっ!」とか、流し込まれながらも言葉で自我を保とうとして辿々しくなってしったり「ちがう!」「入ってこないで!」と必死に叫んだりとか、全身を逆撫でされるようでいて、それでいて何かに目覚めそうになる感覚というか……
物理的にハードだしそれ以上に精神的にハードという特異さと凄惨さに飲まれてしまいましたね。
あまりにも特殊性の高い凄惨な情景に、胸が痛むのを通り越して何かに目覚めそうでした……
フラム、酷い目に遭いすぎだよぉ……
でも、本作のこういう描写も好きなんですよね〜……
さすがです。kiki先生。
執念のトドメ
マザーにトドメを刺すシーンも胸熱でした。
四肢をもがれて、それでも剣を噛んで斬りかかる女の子もまた、好きなんです。
「魔力を流し込むだけでいいから、剣を支える力が足りなくて斬れなくても問題ない」というのも、このトドメの刺し方の必然性を持たせていてよかったですね。
変に興が削がれることもなく、最後まで盛り上がれました。
「だがフラムの心も折れない。いや、嘘だ。ちょっと強がっている」のところも好きでしたね。
痛くて苦しいけど、それでもやりたいという思いの強さを感じられました。
そして、フラムのやりたいことは、他者が必要なことばかりで、つまりは他者の存在が力になっているとも言えるなと思い、胸が熱くなりました。
他者を拒絶したマザーを、他者を想うフラムが倒すというのも、物語の流れの熱さを感じられてよかったです。
愛おしさが溢れるフラムミルキットてぇてぇ
今回の第4巻でも、フラムとミルキットの大きな想いが溢れる言動が多く描かれていましたね。
加えて、着実に進展していて、胸が高鳴っていました。
「私の素顔を見ていいのは、私を救ってくれたご主人様だけです」
たとえ英雄相手だろうと言ってのけるミルキットの姿に、フラムへの溢れる想いを感じられました。
「見せるのは」ではなく「見ていいのは」としているところから、より断固とした感じを感じられて、想いの強さを浴びれました。
ミルキットは恥じらいながらも誇らしげに言っていたり、フラムも特に恥ずかしがる様子がなかったりするところからも、2人がどれだけ互いを想っているのかが伝わってきてよかったです。
「やだ、まだミルキット分が足りてない」
「私だって……ご主人様分、全然、足りてないです」
このやりとりも、甘くて好きでした。
足りてないに対して、「全然」をつけて返してくれるのも、向けた以上の想いが返ってきているようで好きです。
「体に残る温かさが、余計に寂しさを膨張させる」
この表現もすごく沁みましたね〜。
残る温もりにさえ縋ってしまうくらい、2人がどれだけ離れたくないか、ゆえにどれだけ切ない気持ちになっているが伝わってきて、胸がいっぱいになりました。
そしてついに……キス!!!
そして、フラムに駆け寄って抱きつき、頬に唇を押し付けるミルキット……!
これには「ついにキスきたああああ!!」と歓喜の嵐でした。
加えて「一度は乗ろうとしたけど振り返って」という流れや、「キスしようと思ってではなく、なぜかわからないけど取った行動がキスだった」という点も印象的でした。
これらから「想いがこみ上げてきてどうにかフラム伝えようとした結果の頬キス」という感じがして、すごく好きでしたね〜。
「溢れる想いが体を動かした」みたいな感じで、本当に想いが溢れたんだなと感じられ、最高でした。
改めてミルキットを戦う理由に定めるフラム
そして、ミルキットと離れた後に『早くこの戦いを終えれば、その分だけ早くミルキットに再会できる』を新たな戦う理由にするフラムもよかったですね~!
”ミルキット好きすぎ"が溢れすぎてて最高でした。
「私ちょっと、ミルキットのこと好きすぎやしないかな」
私「ええんやで。好きすぎて(ニッコリ)」
その後のキスされた感触をおもいだし、悶えるフラムまで含めてグッドでした。
一緒でも離れ際でも離れた後でも、溢れんばかりのフラミルてぇてぇをありがとうございます。
フラム、死ぬんじゃないぞ……!
「フラミルてぇてぇ」と「オリジン打倒」が交わる__!
フラムとミルキットへの想いが大きくなっていくのは、他者の存在から得られる幸福を知らないオリジンへを打ち倒す力としても、効力を発揮する、つまり「フラミルてぇてぇ」と「オリジン打倒」がこの第4巻で、ついに交わったのだと、胸が熱くなりました。
フラムとミルキットの関係の深まりと、オリジン打倒は、それぞれ別軸で進んでいるものだと思っていました。
しかしそうではなく、フラムとミルキットの想いがどんどん大きくなっていくのは、物語の本筋と一致していたということですね……!
キャラクターたちの動向が、ストーリーの核心的部分に対して関係しているという物語構成は、個人的に好きなので、とてもテンションが上がりました。
頭の中をミルキットで埋め尽くすことで、想いの力だけで体を動かし、管の拘束から体を剥がしていくフラムは、本当に熱くて胸がいっぱいになって、すごかったです。
人格汚染の攻略方法として目から鱗だし、それだけ溢れんばかりのミルキットへの想いが存在している、想い人を想うことで困難を打破するという展開には目一杯の百合や愛おしさを感じられたしで、感情が湧き上がる素晴らしいシーンでした。
『その中でもひときわ大きい、フラムとミルキットの間にある感情__愛を根源として湧き上がる力を、オリジンは止めることができない』も、激アツでした……!
人の心や想いの力が、世界の道理的に、ちゃんと展開に関与してくるのも、とても好きです。
「思いの力で覚醒・パワーアップ→困難突破」ではなくて「想いの力が〜〜なわけで、機能して、困難突破」のように、フワッとした感じではなく、世界の理として実利を有しているというのは、個人的に設定の巧さを感じて好きなんですよね。
今回の展開でもそれを感じられて、すごくよかったです。
人間讃歌であると同時に、百合がストーリーの本筋に関与している、素晴らしい展開でした。
違う、奇跡なんかじゃないよ
最後にネクトのコアが排出されたシーンも、チルドレンたちの想いを感じられました。
人間で兄妹のチルドレンだからこそ、想いの力により、オリジンコアに完全に支配されずに、最後は自分たちの想いを果たせたのですね。
オリジンコアを宿した兵器、しかし人間で子供で、そして兄妹の彼・彼女たちだからこその結末だなぁと感じ、感慨に浸れました。
「違う、奇跡なんかじゃないよ」と、奇跡ではなく意思による必然とするのも好きでした。
これもまた”勇気"の形なのかもしれませんね。
チルドレンたちは、紛れもない人間だよ…………!
その他(+α)
フラムとキリル
4巻では、やっと思いを伝え合え、友達に戻れたキリルとフラムも注目ポイントでしたね。
やっぱり、吐血・流血しながらも「間に合った」と笑みが浮かべる女の子は良きです。
また『今度はフラムが庇う番だ』の場面で、フラムが命を落とすと悟っても、躊躇しなかったのも印象的でした。
この場面で、ミルキットのことがよぎってないのにも、それだけフラムにとってキリルも大きな存在だということを感じさせられましたね。
フラムとキリルの合体技で、赤子を一掃したシーンも熱かったです。
そして「キリルちゃんは、今でも私を友達と思ってる?「そんなの当たり前だよっ!」や、「だったらそれで十分だよ」「私がずっと怖かったのは、キリルちゃんと友達じゃなくなることだから」は、沁みましたね。
当たり前だと食い気味に言ってくれるのすごい好きだし、「友達、されど強い思いで繋がっている。互いの心の拠り所の存在」ということが伝わってきてじわっと感情が広がりました。
2人のこのやりとりからは『他者の存在から得られるものの大きさ』を感じました。
「一度は裏切られたような感じになったけども、それよりも心を開いて利害とか他愛ない話をできる相手の存在から得られるものが上回っている=友達だと思い続けてくれて嬉しい」というような
また、フラムとキリルの様子から、友達がどれほど大きく尊い存在だったかが描かれたことで「ミュートにとってキリル、キリルにとってミュートもそれほどの相手だった」とも言え、また胸がいっぱいになりました。
キリルと思い合える関係を築けたミュートは、やっぱり人間なんだよなと思えましたね。
マリアとライナス
4巻では、マリアとライナスの愛おしいやりとりも印象的でした。
1番はやはり、ライナスの揺るがぬ想いを受けて、マリアの心が揺らぎ、ライナスの手を取っていくところですね。
「触ったら……ライナスさんの手が、汚れてしまいます」
「マリアちゃんに触ることより大事なことがあるとでも?」
とか
「残念だったな、俺はこの程度じゃマリアちゃんのことを嫌いにはならない」
「どうか、してます」
「どうかするぐらい好きになっちまったらしい」
とか
溢れる想いとそれを受けて揺れ動く心に胸がいっぱいになるやりとりばかりで、本当にすごかったです。
嫌われないように遠ざけようとしたり、こんなのおかしい、そんなわけないという思いを、並々ならぬ愛で押しのけていくような会話、マジで好きなんですよ……!
オリジンにみそめられたゴリゴリの使徒なのに”好き"の気持ちで揺らぐのも、人間味を感じられて好きでした。
そして
「しかし、すげー困ったことが一つだけある」
「この場合、どこにキスしたらいいんだ?」
からの
手の甲にキスをして「それじゃあいきましょうか、お姫様」ですよ。
くぅ~~~!
ライナス、マリアちゃんはお前に任せるっっ!!
本作品は、メインのフラムとミルキットだけでなく、ライナスとマリア、エターナとインク、ネイガスとセーラ、ガディオとケレイナなどなど、様々な組み合わせで、想いが育まれています。
好きとか愛とか想いとかを多発的に出していて、しかもどれも高品質なんですよね。そこも本作品の魅力だなと感じました。
本作は「人の想い」や「人との繋がりの正の側面」がテーマになっていると感じるので、もしかしたらその影響もあるのかもしれませんね。
人の想いの形の一つが、愛や好意ですからね。
おわりに
今回の内容は以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。
5巻も楽しみですね。
…………嘘です。
実は4巻の感想を書くのに時間がかかりすぎて、5巻もすでに読破しています笑
5巻の感想も書きますよ~。
2026年中に、8巻まで読破したい……!
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