ねおすかい、ねおマズラプ!

アニメ、ライトノベル、漫画、その他本、日常生活等から感じたことを書く「雑談」ブログです

【感想】『TS転生した私が所属するVTuber事務所のライバーを全員堕としにいく話 3』を読んで印象に残ったこと3選+α

マズラプです。297回目の投稿です。

 

今回は『TS転生した私が所属するVTuber事務所のライバーを全員堕としにいく話 3』の感想を書いていきます。

読んでいて、特に印象に残ったこと・語りたいことを挙げていきます。

(※ネタバレありです。)

 

 

ネタバレを控えた感想は以下の通りです。

https://x.com/pmp68096801/status/2027142631378362385?s=61

 

本記事では、せっかくネタバレありで語るということで、具体的なシーンやセリフを細かく挙げて、自分の「これだけは語りたい!」を余すところなく書いていこうと思います。

 

(※引用しているセリフが正確ではない可能性がありますが、どうか目を瞑っていただけますと幸いです。)

 

 

『TS転生した私が所属するVTuber事務所のライバーを全員堕としにいく話 3』を読んで印象に残ったこと3選+α

花×全てぇてぇ

まず一番印象に残ったのは、花依と全智のてぇてぇです。

2人のてぇてぇは、私が本作の推しポイントの1つです。当人たちも互いの言動で悶えていますが、私も読みながら悶えています。

そんな花×全てぇてぇについて、ネタバレなし感想では語れなかった部分も合わせて、思う存分語っていこうと思います。

 

  • 全智→花依の想いは、“依存"ではない……!

まず、3巻で一番印象に残ったのは、全智の花依への気持ちが明言されたことです。

全智の花依への気持ちは、最初は依存でしたが、今では依存ではないものになっていることが明かされました。

「え、生姜焼きを焼いたのって、いつだったかな……」と気になって、1巻、2巻を読み返してみたら……なんと、1巻の約3分の1程度のあたりじゃないですか……!

つまり、全智はだいぶ早い段階から、花依のことを依存ではないそれでも大きな想いで見ていたわけです。

今まで「依存的感情もあるのかな……?」を思って読んでいましたが、まさか純度100%の想いだったとは……!

「え、じゃあ、ただのシンプルな感情を表現していたの……? もうてぇてぇとかいう次元じゃないだろっ……!」と、今までの花×全の見え方が一変し、感情が込み上げてきまししたね。

 

そして、今巻もたくさんの花×全のてぇてぇシーンが描かれていました。

以下では、花×全に関する具体的なセリフやシーンを挙げ、それに関する感想を書いていきます。

 

 

  • でも……花依がいなくなるほうがもっとこわい

数ある全智の花依に対する言葉の中でも、特にこのセリフ印象的でしたね。

全智の花依に対する想いの大きさを感じられ、胸がいっぱいになりました。

「花依の質問になんて返すんだろう……!」→「うわあああああ!!」となり、心の中で叫んでいましたね。

この言葉により、全智の花依への想いは、過去のトラウマをも上回るほどのものだということが示唆されたわけです。

控えめに言って最高ですね。

もうてぇてぇどころの騒ぎじゃないよッ……!!

 

また、全智の言葉を受けた花依の「嬉しいよ。嬉しいに決まってる」もすごくよかったです。

いつものライバーモード?な感じではない、花依の本心からの確かな想いが流れてきて、いつもとは比べ物にならない嬉しさを感じていそうだなと伝わってきました。

こちらも読んでいて感情が溢れて、うわああああとなっていましたね。

 

「『寂しい』という、花依の勇気を振り絞って解き放たれた本音が、全智の背中を押し、全智もまた本心に従い花依のもとに向かうことができた」という展開にも、胸が熱くなりました。

まるでお互いの魂叫びに呼応しているようで、心が揺さぶられましたね……!

 

  • ……ゆるさない 一緒に寝てくれたら……ゆるす
    わたしが風邪を引いたら、花依が看病しに来てくれる。だからだいじょぶ

こちらは先ほど挙げたセリフの少し前の場面でのセリフです。こちらも、全智の花依への想いが伝わってきて悶えました。

『ゆるさない』は、自我が出ていそうな=相手に依存している場合には使わなさそうなワードチョイスだと感じられました。これにより、全智の花依への想いが依存ではないことを確信させてくれたのもよかったです。

(その後のしっかり花依に看病される全智もほほえまでした。)

 

  • 好意の滲むしっかり論理で安心させる花依

また、以下の『ちゃんと約束を守るけど好きゆえに不安になる全智を、好意の滲むしっかり論理で安心させる花依』の場面も、すごくよかったです。

 

怒って……ない?

たとえ隠し事があっても、それを気にせず好きでいられるのが、ある意味信頼

全智さんに約束を破らせたくないですし

花依の、そういうところ……すき

 

私「ああああああ」

 

花依が提示した考え方は納得性が高く、全智の申し訳なさを軽くしてあげられるに足るもので、とてもよかったです。

さらに「全智さんに約束を破らせたくないですし」と付け加えることで、「考え方以前に、全智さんに好意を抱いているよ」という想いが伝わってきて、じんわり温かくなりました。

『相手への寄り添い+論理的な考え方』は、まさに花依らしいなぁと感じましたね。

このような花依らしさは、私が本作品を読みたいと思う理由の1つです。本当に好き。

 

  • その他&まとめ

「全智さん。好きな人……いる?」→「はなより(花依の発言に被せる勢い)」

・100%で見せたら「わたしと花依の絆はこんなものじゃない」→全智監修のもと150%

なども、花依への並々ならぬ想いが溢れんばかりに伝わってきて、沁みましたね~。

さらに、これらの全智の言動を『全智の花依への感情は依存ではない、純度100%の大切な相手への想いである』ことを踏まえて振り返ってみると、さらなる感情が込み上げてきて、非常に味わい深かったです。

 

あと、花依の意図を察してミュートにする全智もグッドでした。

相手の意図を察せられる全智さん、私も好きです。

 

花×全は、お互いに相手の言動で悶えるような、殴り合い?の関係が良いですよね。

加えて今回、全智の花依への想いの質が明かされたおかげで、より胸がいっぱいになりました。

いやもうホント、花×全しか勝たん。

今後の全智の花依に対する想いの表現、そして花依と全智の関係の行末も、とても楽しみです。

 

花依に堕ちるレイナちゃん

第3巻では、花依に堕ちるレイナちゃんも印象的でした。

レイナちゃんが花依に堕ちるまでの流れをレイナちゃん視点に立って考えてみると、確かに花依を「お姉様……♡」と呼びたくたるのもすごくわかるなと感じたので、ネタバレありで語っていこうと思います。

 

  • レイナちゃんが花依に堕ちた理由

今回のメスガキ対決では「花依が、しっかりぶつかってきてくれて、ちゃんと自分の努力を認めてれて、さらにそのうえで同じ努力の道ではるか先を行っているのが分かった」ため、レイナちゃんは花依に堕ちたのかなと感じました。

 

花依は、レイナちゃんの心が本当に求めていた「子供扱いしないで、本気でぶつかってきてほしい」を満たしてくれました。

さらに、レイナちゃんの歌を聴いて、レイナちゃんが自分なりに努力していることを理解してくれました。

今まで馬鹿にされてきた過去があるからこそ、ちゃんと努力を認めてくれた花依のまっすぐな感想が、レイナちゃんに刺さったんだろうと思います。

そしてレイナちゃんは、花依の歌を聴いて、花依が自分の道の遥か先を行く者だと悟りました。

 

加えて花依の「私の勝ちだね」という言葉は、企画の投票による勝ち負けではなく「レイナちゃん自身が完敗だと感じているよね?」という旨の発言なのかなと感じました。

「自分の心を見透かす=自分の心にここまで寄り添ってくれた」と分かってしまったら、確かに「お姉様……♡」となるのも無理はないなと思いました。多分私も同じ立場だったらそうなると思うので(ほんとか?)

 

  • レイナちゃんも”努力している側である"という示唆

また「レイナちゃんが、花依の歌を聴いて、天才ではなく血のにじむ努力によるものだとわかった」という点は、『レイナちゃんも努力している側だ』と語られているようで、とても好きです。

 

その人の成果が努力によるものであることは、その人と同じように、その道を歩み努力した者にしか分かりません。(『ダニングクルーガー効果』に近いかなと思います。)

努力した経験がなければ自分にできないことをやってのけた者を「自分よりも才能があったから」と安直に決めつけてしまうこともあります。(詳しくは『誰が勇者を殺したか』を読んでみましょう!)

 

しかし、レイナちゃんは、花依の歌が努力によるものだと見抜けていました。

これは、紛れもなくレイナちゃんが努力していることの証明であると、私は感じました。

このこととレイナちゃん自身のモノローグを含めて、レイナちゃんは「メスガキというコンセプトでありながら、しっかり自分にできる努力を重ねてきたキャラクター」なんだと伝わってきて、読んでいて胸が熱くなりました。

 

また、レイナちゃんの「お姉様♡」と、前述した花依と全智の関係性の変化も踏まえて「3巻の表紙カバーイラストは、誇張なしの、本編の展開を忠実に表したものだったんだ……!」と、感銘を受けました。

本編を読んでから表紙を見ると、全智とレイナちゃんの感情を想像できて、より味わい深かったです。

 

それはそうと、花依、即死コンボを極めるのは、相手してくれる友達いなくなって当然だと思うぞ。

 

そらプロてぇてぇ

3巻では、宇宙×プロてぇてぇも適宜供給されていたのも、印象的でした。

 

前述したように、私は花×全を激推ししています。

しかし一方で、宇宙×プロも結構好きなんです。

クール系な宇宙さんが、プロちゃんのことを同期として認め慮り、かつかわいさに絆されているのが、とても好きなんですよね。

なので、全ライバーとのてぇてぇを目指している花依には申し訳ありませんが、宇宙×プロの組み合わせだけは譲れません。

今回の3巻では、そんな宇宙さんのプロちゃんへの想いが溢れていたり、プロちゃんに絆されていたりする場面もしっかり描かれていてよかったです。

そんなわけで、3巻の宇宙×プロてぇてぇシーンについても、具体的なシーンやセリフを挙げて語っていこうと思います。

 

ちなみに書いていて気づいたのですが、どうやら私は宇宙さんのギャップに萌えているようです。なので、本項では、宇宙さんに関する内容が主になります。

 

  • プロちゃんへの想いが溢れる宇宙さんシーンの数々

3巻では『プロちゃんへの想いが溢れ、もはや面白くなっちゃっている宇宙さん』がたくさん出てきて、微笑ましいような心持ちになりました。

 

まず「プロちゃんからの電話には、基本1秒以内に出ていた」のには笑いましたね。

早すぎんだろ……!笑

「タオルかえイベントが」→「それは私にしてください」も、私情がだだ漏れで面白かったです笑

電子特典の「プロミネンスさんにプロちゃんに肉を焼くのは私」な宇宙さんも、並々ならぬ思いが伝わってきて好きでした。

 

また、花依のモノローグですが「プロちゃんは抱え込むタイプっぽそう」→「まぁ、宇宙さんが引っ張り出すと思うけど……」も、印象に残っています。

さらっと書かれていましたが、その場面や心情を想像してグッときていましたね。

面白くなりつつも、その本質はプロちゃんを慮る思いなんだよなと、胸が温かくなりました。

 

  • 爆速入室宇宙さん

宇宙さんとプロちゃんの協力型ゲーム配信の場面もよかったですね。

プロちゃんを中心にみせるように立ち回ったり、颯爽と助けにいく宇宙さんはかっこよかったです。

素晴らしいコラボ配信だなと思っていたら、まさかの「視聴者参加型で最速入室していた宇宙さん」という事実が明かされて、笑いました。

そこは普通にコラボしましょうよ……笑

 

  • 宇宙えもん!! 助けてなのだ!!

8話で、プロちゃんが宇宙さんに助けを求めた場面も印象的でした。

「ワタシは嬉s……」や「アナタのためですからね」→「素直じゃないのだ!」→「可愛……ん"ん」など、プロちゃんへの想いが漏れ出ちゃっていたのには、思わず笑みがこぼれてしまいましたね。

 

そして「このため息は、なんだかんだで許してくれるやつなのだ!」と、プロちゃん側が分かっていたのも印象的でした。

「プロちゃんも察せられるくらい幾度となく、宇宙さんはそんな態度をプロちゃんにとっている=それほどまでにプロちゃんに甘いし絆されていると感じ、てぇてぇを感じました。

 

それと、多分プロちゃんのため>花依のためだと思うので「アナタのためですからね」というのは、だいぶ本当のことを言っていそうだなと思いました笑

 

あとこの場面で『いつもは一秒以内で電話に出るけど、今回は二秒だった』のは、花依のことを考えていたからですよね……!?

後述しますが、なんだかんだ言いつつも、しっかり花依のことを考えているのも、宇宙さんの好きポイントです。

 

え? たった1秒だって……?

いやいや、プロちゃんからの着信に対する1秒は、とてつもなく重い価値を持っているから……!

たった1秒だとしても、すごいことだから……!

それくらい花依のことも考えてくれているってことだから……!!

そうですよね、宇宙さん……?

 

  • しっかり体を労わってくれる宇宙さん

また、これは宇宙さん個人のものですが、9話の花依の看病の場面で「正気を保ちながら、正論を言いつつもしっかり体を労わる言動をとってくれる宇宙さん」もかなり好きでした。

「あなたは働きすぎです」とスケジュール調整を提案したり、みんなの帰りを見送ろうとする花依を「お前は何もするな」という眼光で制していたりしたのには、結構グッときましたね。

宇宙さんの言動は、柔らか穏やかないわゆ”優しい感じ"では決してありません。

しかしそんな厳しいような態度だからこそ、花依の身を案じ、看病ではない方面から助力してくれていることを感じられ、なんだか胸が熱くなりました。

 

そして、前述した花×全てぇてぇのきっかけになる「もう少し素直になるべき」という言葉もかけてくれていましたね。

宇宙さんが、長い付き合いから、花依自身にも気付けない花依の本心を見抜いていたことが感じられ、グッときました。

 

『冷徹に見えて、その実は相手を労ったり慮ったりしてくれる面も備えている大人のお姉さん』好きなんですよ……。

おそらく実務で疲れていらっしゃると思うので、ぜひ宇宙×プロコラボをして癒されてほしいですね。

 

こんな感じで、実は宇宙さんも結構好きなキャラクターなので、今後の宇宙さんの動向にも注目していこうと思います。

 

その他に印象に残ったこと(+αの部分)
  • 『堕としたいと思った相手には、すでに堕ちている』

この言葉は、本作の醍醐味である花依の『堕とし方』を象徴する言葉だなと思い、印象に残りました。

花依の堕とし方は「自分を好きになれ!」という押しつけのようなものではなくて、「相手の心に寄り添う言動で相手を幸せにする」ようなものです。それは、まず花依が相手の魅力に惹き込まれているからだったのですね。

自分が想いを寄せる相手なら、相手を無下に扱うような真似はしないですよね。だから、相手の心に寄り添う言動になるのだなと納得しました。

花依の堕とし方は、本作の醍醐味であり、私の本作の好きな部分の1つでもあるので、その解像度が上がってよかったです。

 

  • 花×全以外のてぇてぇ

今回の3巻でも、前述した花×全以外の、花依と他ライバーとのてぇてぇもたくさん描かれていました。

中でも私は『相手を動物に例えると?の質問での、自分がゴリラの理由を説明されている時の、実は照れていた花依』が印象的でした。「それに助けられたしね」という囁きもよかったですね~。

花×全に限らず、花依完全優位の関係性ではなくて、支えてもらったりたまに照れさせられたりするのが本作の特徴だなと思います。

まさに「堕としたいと思った相手には、すでに堕ちている」を象徴している出来事でした。

 

  • ぷ、プロちゃん……?

最後に、これはそれ以上でもそれ以下でもないのですが、花依の熱くて心に響く言葉がモノローグで流れたアツい展開からの「ぷ、プロちゃん……?」な展開には笑いました……笑

さ、さすがプロちゃんだね……!

 

 

 

今回の内容は以上です。

かなりの長文を、ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

本作を読んで感じた思いを、存分に語ることができ、満足しています。

 

改めて、今回の3巻では、1、2巻以上のてぇてぇを摂取することができました。

今後も花×全の行く末を見守っていこうと思います。

第4巻もとても楽しみです!

 

 

 

他にもネタバレありの感想を書いているので、興味があるものがあればご覧ください!

 

pmp68096801.hatenablog.com

 

pmp68096801.hatenablog.com

 

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【感想】『あくまであまい私の彼女 4』各話感想(第16話〜最終話)(ネタバレあり)

マズラプです。296回目の投稿です。

今回は『あくまであまい私の彼女4』の感想を書いていきます。

今回の最終4巻は、今まで以上に、私の好みの感情や展開が多く描かれていてとても楽しめました。

本記事では、どこが私の好みに刺さったのか、より具体的にお話ししていければと思います。

 

本記事は、各話ごとに、特に印象に残ったセリフや、感じたこと・考えたことを書いていく形式です

※ネタバレありです。

 

(※引用しているセリフが正確ではない可能性がありますが、どうか目を瞑っていただけますと幸いです。)

 

 

 

『あくまであまい私の彼女 4』各話感想(第16話〜最終話)

第16話
  • つらそうだからさせてあげる、ではなく、マイにも「好きな人にキスしたい」という気持ちでいてほしかった

この感情は『悪魔性<恋心』を感じさせるもので、胸が熱くなりました。

本作の醍醐味として、回を重ねるごとに『悪魔性によるものではなく、相手を愛する気持ちが、イチャイチャしたい理由になっている』点が挙げられます。第16話は、その核心に触れた回だったなと感じました。

悪魔性を持っているリリが「食事のためではなく、ただ純粋にマイの好きだから“好き"を伝えたいからキスをしたい」というのが、より一層マイをどれだけ想っているかが伝わってきて、心が満たされました。

 

  • 言葉にするとなんだか薄っぺらいね

なんだか好きだなと感じたセリフです。

確かに想いを相手に伝えるために言葉にすることは必要です。しかし、言葉として言語化してしまった瞬間、いくら美辞麗句を並べたとしても、自分の胸に抱いている気持ちと比べると、なんだか陳腐なもののように感じてしまうのも、そうかもなと思いました。

しかしそれでも、想いを口にしなれければ伝わらないのも事実なので、言葉にして伝えることは大切なことだと思いたい、そう思いました。

マイも、気持ちを言葉にするという“陳腐化"をしてでも、リリに想いを伝えたいと思っていたのかなと思い、愛おしさを感じました。

 

  • マイの想いを受けて、真っ赤になるリリ

いつもはマイを赤面させる側のリリが、逆にマイに真っ赤にさせられているのはかなりレアだと感じ、印象的でした。マイのリリへの想いが、しっかりリリの心に染み渡っていることが伝わってきますね。

愛おしいような微笑みなどではなく「うえぇっ!?」みたいな表情だったのも、印象的でした。抱えきれないほどのマイの想いを感じ、心がキャパオーバーしているような様子に、こちらも胸がいっぱいになりました。

真っ赤な顔のリリも可愛いかったです。

こちらも、まさに『食欲ではなく恋愛による関係性』を象徴している場面だと思いました。

 

  • 想いを言葉にして、マイからキスする流れ

16話で1番好きなシーン(展開)です。

今までのような「リリにされるがままに押し倒されて、なし崩し的に〜」みたいな形ではなく「ちゃんと言葉でお互いの気持ちを伝え合い、お互いの想いを理解し合えた後に『キスしたい』と言ってキスをするのが、とてもよかったです。マイも、リリのことを強く想っていることが伝わってきました。

この場面からも、悪魔ではなく、想い合っている人間同士の恋愛・キスという感じがして、じんわりと胸が満たされました。

お互いの「ごめん」からスタートしているのも、個人的に好きでした。

 

  • 「タリナイ…」

マイから想いを伝えるためのキスをして終わり……ではなくて、最後にはリリの貪るような熱烈なキスで締めるのも、本作らしさを感じましたね。

行為で愛情を表現する時の、リリの表情がとても良くて…………!

「むちゅっ」「ちゅ〜〜〜〜」「ぶちゅぅぅ〜」という効果音も、濃厚さをものがたあっていましたね……!

後述する場面も含めて、本作のキス描写はかなり好きです。

互いに想い合っていることが理解しあえた2人の姿はとても愛おしいものでした。それはそれとして、悪魔的魅力と積極性を有しているリリもやっぱり魅力的ですね。どちらも本作の見どころだと思いますし、どちらも大好きです。

 

 

第17話
  • ん?

端的に、えっちです。

雨で服が肌に張り付いてしまったリリは、ちょっと刺激が強ぎました……。

マイの抱いた煩悩を見逃さず、しっかりドキドキ・ゾクゾクさせてくれるのも、本作の見どころですよね。

パフェの造形の深さを感じつつも「やっぱりこの魅惑さが良いよな……」と噛み締めていた17話でした。

 

第18話
  • キスの流れかと思いきや、ぎゅっと抱きつく

悪魔要素やえっちさを、想いや愛おしさが押しのけていくような、純粋な愛おしさを感じられ、胸がいっぱいになりました。

なんというか、“性"よりも前に相手を想う気持ちがあるということが表れているようで、再度2人は互いを想う気持ちでつながっているんだなと感じされたました。

「離れちゃう……」や「触れ合っているだけで幸せ」からも想いが伝わってきて、じんわり愛おしく温かったです。

 

  • ただずっと一緒にいたいから契約したい

    死んだら地獄に行くんだよ?

    リリちゃんが望むならそれでもいいよ

    だめっ…!(涙)

    (諸々あって)愛を伝えるためのキス

こういう流れ、めちゃくちゃ好きです。

「それでもいいよ」のマイの表情には恐怖や不安が微塵も感じられず、リリへの溢れる想いだけが滲んでいたように感じました。対して「だめっ…!」の前後のリリの表情からは、マイに地獄に堕ちて欲しくない一心が伝わってきました。

「いいよ」と「ダメ」で言葉は正反対ですが、どちらも相手を大切に想っているのは共通で、2人の相手への大きな想いをこれでもかと感じられ、胸が満たされましたね。

 

 

第19話
  • 「たとえ死ぬとしても、忘れられるとしても、マイちゃんには笑っていてほしい」
    「マイちゃんがいないなら生きていてもずっと苦しい」

マイのために命をかけようとするリリに、脳を焼かれました。

最愛の人のためなら死を厭わない姿勢や、大好きの裏返しの痛みや苦しみを存分に感じられました。

こういう感情、大好きなんですよ……!

 

  • 「死ぬってことよ?」→愛おしさの滲む微笑み

死ぬという事実を再確認させられたのに、恐怖や躊躇が表れるどころか、柔らかな微笑みが浮かぶリリの姿に、胸を打たれました。

「愛する人が生きてくれるのなら、自分が死ぬことなんて構わない」というリリの心情を感じられた表情でした。

それほどのマイへの想いがこもっていて、リリの心情を想像して「うわあぁ……!」と、感情が溢れてしまいましたね。

 

  • リリに祈りを捧げるエリサ

リリの行動を止めなかったエリサも印象的でしたね。

死に向かう我が子を止めないことからは、子の意志を尊重したいという、人間らしさのようなものを感じました。

悪魔なのに祈りのポーズしていたことからも「リリの意志を尊重しつつも、リリの行動の成功やリリの無事を祈っている」ような、エリサの心情を感じられるようでした。

 

  • 「悪魔じゃなくて、ただの女の子だったらよかった…」→「悪魔として生まれたのは、この時のためだったのかもしれない」

18話では忌み嫌っていた自分の悪魔性でしたが、大好きな人を救えるという点で、一転して価値が生まれる転換が印象的でした。

リリの物事の価値基準がマイになっていることから、リリのマイへの想いの大きさを感じられて、胸がいっぱいになりました。

 

  • 「マイちゃんにまた会えて嬉しいの」
    「あたしのこと 忘れないでね」
    「…またね」
    『また マイちゃんの彼女になりたいな』

4巻を通して、1番心揺さぶられた場面でした。

リリの心情を想像して、感情が込み上げてきましたね。

 

「デメリットを伴うものの、自分もマイも助かり死ぬまでは幸せな時間を過ごせる」契約という選択肢を最後まで選ばない姿勢から、リリはあくまでマイの幸せだけを願っていることが感じられるし、

「(死ぬ前に)また会えて嬉しいの」な気がするし、

これで最後と思った上での「愛してくれてありがとう」&キスだと思うと、リリの心情を考えると胸が張り裂けそうになるし、

無理だろうなと思いながらも、それでもどうか……みたいな思いで「忘れないでね」って言ってそうだし、

「もうマイに会えなくなって、マイの記憶からも消えてしまうのは辛くて悲しい」と、それ以上の「最後に大好きなマイちゃんに会えて嬉しい」が表れた“笑顔+涙”に思えるし、

最後まで自分が死ぬであろうことは言わないし、

「…またね」はマイを安心させるため、そして来世で会えたらという願いを込めた言葉に思えるしで、

感情が込み上げてくる素晴らしいシーンでした。

 

最終話
  • 『今日は久しぶりのデートなんです』

19話の胸が引き裂かれるような終わり方から、幸せいっぱいの日常が展開されて「よかった……ほんとうに、よかった…………」と、再び胸がいっぱいになりました。

やっぱり、どんなことがあったとしても、2人が五体満足で幸せに過ごしていてほしいので……!

 

  • 「ヘン……?」

事情を説明するよりも先に、マイに嫌われないか心配になっているリリの様子が愛おしかったです。

改めて、価値基準がマイになっていることが感じられ、心が満たされましたね。

白髪のリリも可愛いよ!

 

  • 「逆の立場だったらきっと同じことをしたと思う」
    「だけど…目覚めてリリちゃんがいなかったら耐えられないと思う」

「相手のためなら命さえ投げ出せる。でも(相手にそれをされて)助かったとしても、相手がいなかったら耐えられない

この矛盾にも思える感情こそ、相手を愛し、相手を1番に想っているからこそ生じるものだよなと感じ、愛おしくて胸がいっぱいになりました。

どちらかがいなくなってしまった未来を案じてしまう気持ちも分かります。でも今は、そんな“もしも”じゃなくて、2人とも生きて再会できたという“いま”の幸せを、ただ噛み締めてほしいなと思いました。

本当に、2人が生きていてよかった……!

 

  • ラスト

でも最後は、やっぱりリリの悪魔的魅力に惹き込まれてしまうんですよね……!

そんな締めくくり方も、本作らしくて、最後の最後まで楽しませていただけました。

 

 

 

今回の内容は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。

本作は、積極的なリリとしっかり赤面してしまうマイの、ちょっぴり刺激的な描写が中心にありつつも、悪魔としてではなく人間として、純粋に好きを抱いて"好き"という感情に、相手に、向き合っていくという一面もあり、その両輪に心惹かれていました。巻を重ねるごとに、本作の虜になっていきましたね。

本作に出会えて本当によかったです。改めて、素敵な物語をありがとうございました。

【感想】『この恋を星には願わない 5』各話感想(21話〜最終話)(ネタバレあり)

マズラプです。295回目の投稿です。

今回は『この恋を星には願わない』5巻の感想を書いていきます。

各話ごとに、特に印象に残ったセリフや、感じたこと・考えたことを書いていく形式です

最終巻ということもあり、正直全てのページで感嘆の声をあげていたのですが、今回は中でも特に書きたいことを書いています。

※ネタバレありです。

 

(※引用しているセリフが正確ではない可能性がありますが、どうか目を瞑っていただけますと幸いです。)

 

各話感想(ネタバレあり)

21話
  • 妃咲先輩が『冬葵至上主義』だった理由

今まで妃咲先輩は、冬葵が幸せになるために行動していました。その行動原理は「この人に幸せになってほしいと思ったから」だったんですね。

「幸せになってほしい」と言ってくれた相手に対して、「この人に幸せになってほしい」と思うって、すごく尊い感情じゃん……!と思いました。

 

多分、妃咲先輩含め、今まで会ってきた“辛い恋"をしている人たちって、みんな自分が中心だったんだと思うんですよね。相手が好きと言いつつも、結局は“自分が"辛いという思いが中心にあったと言いますか。

でも、冬葵は違ったんです。「辛いけど瑛莉の幸せを願う選択肢を選ぼうとしていた」つまりは「自分ではなく、好きな人が中心だった」んです。妃咲先輩はその考え方を受けて、美しいというか尊いというか、うまく言葉にできませんが「この人に幸せになってほしい」と思えるくらい、心動かされたのかなと思いました。

  • 「妃咲先輩が、冬葵との関係が不要になった」ように見えた理由

冬葵は、妃咲先輩が自分との関係が必要なくなっていたのに気づいていたと言っていました。その理由について私は「冬葵と出会い過ごした中で、冬葵のおかげで、妃咲先輩の中で気持ちの折り合いがつけられたから」なんじゃないかなと思いました。それで、自分の方はもう良くなったから、あとは冬葵の幸せのために注力していたのかなと。
だから、妃咲先輩にとって、確かに冬葵との慰め合いはもういらなくなっていたけど、それは冬葵のおかげで、関係を続けるのもやぶさかではないというか、少なくとも疎ましく思っていたわけではないのではないかと、私は思いました。

 

・「あたしがもらっていたものを返したんだよ」
 「あたしが勝手にもらったの」
このあたりのやりとり、温かくてすごく好きです。

 

・確かに冬葵の一番の理解者は妃咲先輩かもしれない。でも、冬葵が一番好きなのは瑛莉であることも、また確か

一番の理解者が恋人になるかというと、そうとは限らないのですね。
確かに妃咲先輩と付き合えば傷つくことはなくなるのかもしれません。でも、一番幸せになれるかというと、それはまた違うのかもしれません。

これは、恋の、“好き"という感情の難しいところなのかなと感じました。


22話
  • 「断られてしまったら、もう望みがない」
    「フラれたくない」

今までいろいろな言葉が描かれてきましたが、結局のところ、冬葵の一番の根源は「フラれたくない」だったのですね。

「白黒つけずに曖昧な状態でいれば、可能性はあり続け、希望が潰えることはない」という思いは、痛いほどよくわかり、胸がいっぱいになりました。

また、妃咲先輩の「瑛莉ちゃんから逃げちゃダメだよ」という言葉は「保留状態に甘んじたらダメだよ」ということだったのかなと考えました。

 

  • 京の役割

京の行動と比較して「冬葵は瑛莉のことを考えられている」ということが描かれていたのが、印象的でした。

京は瑛莉に告白し交際したわけなのですが、それはあくまで自分のことを考えての行動であり、瑛莉のことは考えていなかったとも言えます。

その観点で考えると、冬葵は、フラれたくないという思いが強かったのかもしれませんが、それは瑛莉のことを考えていたからゆえの行動でもあると考えられます。そしてそんな冬葵は、冬葵の瑛莉への想いは、京とは違うのもの、もっと言うとありふれたものではないのではないか、とも考えられます。

 

また、こういうことを言ってくれて背中を押してくれる存在は、告白して瑛莉を傷つけてしまった経験をした幼馴染だからこそ務まるのかなとも感じました。

つまり、本作の展開には、キャラクターの感情の整合性がとれている行動だけでなく、物語に関わるものとしてしっかり意味があったとも言えます。

個人的な考えなのですが、言葉を選ばずに言うと本作は「百合の間に男を挟めることで、百合をより際立たせている作品」だと思っています。それに加えて新たに、京の行動は“だからこそできる"背中の押し方という物語の展開にも寄与する意味合い」もあったのかな、とも感じました

 


番外編
  • 「君のそばにいられるのなら、どんな形でもよかった」
    「今の形が最善なんだと信じていた」

これ、恋人とか友達とか形は違うけど「ずっとそばにいたいという気持ちは一緒だった」ってことじゃ、ないんですかッ……!?

 

  • 「私が先に泣くから、君が泣けないの」
    「それならもう泣かない」

うわあああああ(泣)

ついに瑛莉が「冬葵の胸の内を慮った=冬葵と向き合った、ちゃんと見た」そんな転機が表れた番外編だったのかなと感じました。

 


23話
  • 冬葵の伝えたい唯一のことが「瑛莉ちゃんは悪くないってこと」

「もうさ〜〜〜!!涙」ってなりました。

「受け入れる器がなかった」「心の中で見返りを求めていたのかも」という言う冬葵に、そんなこと言うなよ〜〜〜〜!!!と叫んでいましたね。

冬葵の『どこまでも自分ではなく瑛莉のことだけを考える』面を、改めて見せつけられ、胸が締め付けられる場面でした。

 

  • 「そうなるまで一緒にいましょう」「きっとそうなると思うなんて曖昧な言葉であなたを諦めるつもりはないの」

「めっちゃいいやん…………!!」と唸っていました。

『瑛莉の抱く想いは、冬葵のものと同じ色をしているのかはわからない。しかし、瑛莉の冬葵へ抱く想いが、とてつもなく大きいことははっきりと伝わってくる』ようなシーンだと感じまました。

瑛莉の冬葵への想いの大きさを見せつけられ、読んでいて胸がいっぱいになりました。

 

  • 今はじめて冬葵のことを意識してるの

この言葉から「今までの冬葵の気持ちが一方通行だったかのように見えた状態は、冬葵が悪いとかではなくて、あくまで瑛莉ちゃんの気質?の問題だった」ということが改めて示唆されたのかなと感じました。

2人の相性が悪かったとか、どちらかが間違っていたとかそういうわけではなく、ただ2人の“在り方"を見つけられていなかっただけだったのかなと。

つまり見方を変えれば、今までの2人は、すれ違ってたのではなくて、実はまだ始まってなかったとも言えるのかもしれません。今までの物語は「『始まったらあとは幸せ一方向しかないストーリー』の、壮大なプロローグだった」なんて考え方もできるのかもしれませんね。

2人の関係もしくはどちらかの気持ちを否定するようなことはなくて、個人的には好きな示唆の形でした。

 

  • 「それでも一緒にいましょう」
    「どれだけ傷ついても私のことを好きでいて」
    「でも傷ついているのも知っているし、傷ついてもそばにいる」
    「だから、もっとひどいとかわがままを言ってもいいんだよ」

4巻までのやりとりを経て、2人の関係性が変わったことが分かり、2人の歩んだ軌跡が無駄ではなかったんだなと思いました。

そして、ここで瑛莉が涙ぐんでいるのは、冬葵の心情を考えているからなのではないか……!と考えて、胸がいっぱいになりました。「自分の言った言葉は冬葵にとって辛いものだと分かっているし、辛い冬葵の心情を想像して涙が溢れそうになっている。でも本当に辛いのは冬葵なのだから、冬葵が涙を流すために、自分は涙を堪えている」そんな状況なのかなと想像して、グッときました。

 


24話
  • 「嫌になったら言ってね」→「分かった。言うから、私が言わない限り、そんな心配しなくていいからね」

最高すぎました……!

冬葵の言葉は、まだ実感が湧いていないことや「口には出さないけど、もしかしたら瑛莉ちゃんは嫌だと思っているのかもしれない……」という不安から、こぼれた言葉だと考えられます。

そんな冬葵の思いを見透かしたかのように、瑛莉は「言ってないんだから、嫌だって思ってないんだよ」と伝え、冬葵の不安を解消する言葉をかけたわけですね。

「この手の言葉への最高の返しって、これだったんだ……!」と感動しました。

また、幸せな状況にあっても、常に相手が嫌だと思っているんじゃないかと不安を感じてしまう冬葵は、私の好きなタイプの女性すぎました。こういう思考をしちゃうキャラクター、好きなんですよね……。

 

  • 「星は願うものじゃなくて見るものでしょ」
    「冬葵の願いは、ぜーんぶ私が叶えてあげる」

タイトル回収ッ……!!

「この恋を星には願わない。だって最愛の人が全部叶えてくれるから。ということですね……!!(あくまで個人の感想です。)

「最高か??? 瑛莉ちゃん、メロくない???」とテンション上がりまくりでした。

 

  • キスしたあと涙が溢れてきちゃう冬葵が愛おしすぎる

やっと現状を実感し、幸せを噛み締められたんだなと、見ていて胸がいっぱいになりました。今までの冬葵を思い返すと、本当に本当に嬉しかったんだろうなと思えて……。

こちらもじわっと感情が込み上げてきてしまう、そんなワンシーンでした。

 

最終話
  • 「瑛莉ちゃんかな〜」→「え!? 冬葵だったの!?」な始まり

「絶交」は瑛莉を想起させるワードチョイスだったので、こちらを向いたのが冬葵だったのには、とても驚かされました。

瑛莉と共に時間を過ごしたことで、冬葵が変わったことが一発でわかる始まりに、引き込まれましたね。

 

  • 静に笑顔を見せる妃咲先輩

冬葵と一緒にいた時には見せなかったような笑顔が、とても印象的でした。今の妃咲先輩の胸中が、幸せに満ちていることが伝わってきましたね。

本作において私はかなり妃咲先輩が好きだったので、幸せそうな妃咲先輩の姿を見れて、私も胸がいっぱいになりました。

今現在の日常を描いたスピンオフ作品、描いてほしい……!

 

 

  • 想いを全解放する冬葵が、可愛すぎて泣けてくる

瑛莉への自分の気持ちを押し殺し続けてきた今までのことを考えると、とても感慨深かったです。

 

  • 冬葵と瑛莉の関係について

第5巻で収録された話を通して、2人にとっては「恋愛的な好きか友愛か」ではなく「“好き”で一緒にいたいという気持ちで一緒にいる」ことが、大切だったのかなと思いました。

「瑛莉ちゃんの気持ちはわからない」「確かなことは、そばにいることと変わらず大好き」にも、それが描かれているのかなと感じました。

加えて、23話の新しい関係の提案は、あくまで瑛莉ならではの気質に起因したものとも言えます。

これらから、本作で描かれたのは、ありふれたような好きが交わらない2人の話ではなく、冬葵と瑛莉2人だけの関係性の物語だったのかなと、そう思いました。

 

電子特典:それぞれの近況
  • 毎日瑛莉ちゃんが可愛くてびっくりしている冬葵

幸せすぎるだろッッッ…………!!!

今現在の日常を描いたスピンオフ作品、描いてほしい……!(2回目)

 

 

 

 

今回の内容は以上です。ここまで読んでいただきありがとうござました。

改めて『この恋を星には願わない』は、私の人生史に刻まれる、素敵な物語でした。人生でこの物語に出会えて、本当によかったです。

紫のあ先生、改めて、素敵な作品をありがとうございました。

【感想】『○△■アパート』収録全話感想 〜「文学フリマ東京40」購入作品感想その2〜

マズラプです。294回目の投稿です。

今回は『○△■アパート』の感想を書いていきます。

本作は、文学フリマ東京40にて、『木爾チレン・けんご』から頒布された作品です。

 

作品情報、出店者情報は以下の通りです。

c.bunfree.net

 

 

本記事では『○△■アパート』に収録された作品全ての感想を書いています。

 

私は女性の様々な感情を味わうのが好きなので、木爾チレンの描く物語は、非常に楽しめました。

読んでいて一番印象に残ったのは『カレー中毒者』です。

他にも『温い水』『最後のジャム』『M』も好きでした。

 

本記事は、感想を発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなという思いで書いています。

作者の方々に届いてくれたのなら、嬉しい限りです。

 

作者の方に関わらず、読んでいただけるととても嬉しいので、どうぞ読んでいってください。

 

『○△■アパート』収録全話感想

プロローグ
  • ○→自分の気のままに、ただシンプルに生きる。
  • ■→何かしら自分以外の基準があって、それをもとに生きる。

みたいなニュアンスなのかなと考えました。

この考えを、各話の考察でたびたび当てはめていこうと思います。

 

カレー中毒者

本話を読んで「愛や恋心と中毒は、似て非なるもの」というテーマを感じました。

 

作中で、主人公がカレー中毒になった=カレーを食べられなくなった理由について、考えてみました。

一見「おいしいからカレーばかり食べる」でも、問題ないはずです。

しかし「ずっと同じなのはおかしい」といったような世間の目や常識が引っかかり、果てには嫌悪し拒絶対象になってしまったのかなと思いました。


また、カレーばかり食べることに嫌気がさし、ナナキと別れてしまったことから、「寂しいから、気持ちいいからで恋人になっても、恋人であり続けることは難しい」とも捉えられました。

 

これらから「好きでもないものを摂取し続けることは難しいのかもしれない」と考えました。

どうしても、世間の目を始めとした周りのものが気になり、続けられなくなってしまうのかもしれませんね。

このことは、“○が■になっていってしまう"とも言えるかも知れませんね。


そしてカレーを恋に置き換えた場合、「恋には、欲求に従うという消極的理由だけでなく、その人だから一緒にいたいという積極的理由が必要」ということなのかもなと感じました。

 

さらに「“真の"恋や愛と中毒は、似て非なるもの」だと考えました。
カフェイン中毒や水銀中毒など、同じものを摂取し続けると症状が現れ、それ以上の摂取を拒絶するようになります。

しかし、一生別れないような愛で結ばれた2人は、ずっと1人の相手と一緒にいても、拒絶反応が出ることはありません。

主人公がナナキに抱いた想いは消極的なものであり、真の想いではなかったと言えるかもしれませんね。

 

『カレーばかり食べる』という事象から、腑に落ちる愛の話を思いつけて、かなり読み応えを感じられた話でした。

 

アオ・フュージョン・ミドロ

「一心同体の双子→それだったら、いっそ分裂しない一人の方がよかったのではないか」というメッセージには、切なくなりました。

 

「この人といることで、自分に価値を見い出せる」という感情は、時にロマンチックに描かれます。

しかし、裏を返せば「この人といなければ、自分に価値を見出せない」ということでもあります。

そして、そう思わせられるような人と出会ってしまったことは、不幸とも取れるなと感じました。出会わなければ、自分個人の価値を信じていられたとも言えますからね。


「二人だから生きていける」って、「一人だと生きていけない」ということなんだよなって思わせられ、言葉の二面性を感じられました。

 

大人の寄り道

「痛みや苦しみを感じる行為をすることで、自分の生を感じたり、自分の成長を感じたりするのが大人」というメッセージが込められていたのかなと考えました。

子供は先が長いため、未来には希望しか見えません。しかし、大人は変化が乏しくなるうえ、死の恐怖を感じるようになります。そこで、自身の生を感じるために、痛みを感じられるような刺激も必要になってくる、ということなのかも知れませんね。


また「苦い苦しい寄り道=苦しさの味を知っておくことで耐性をつけたり、苦しくない=幸せな味わいに気付けるようになる」というメッセージも感じられました。

ビールを飲んだとことがあるから、ビールの味だとわかるのです。

同じように、苦しみも先に味わっておくことで軽減できるかも知れません。そして、知らない味に出会った時に「これが幸せなのか」と、感情を区別に適切に味わえるようになるのかもしれませんね。

 

他にも『時間の流れが早すぎる』には、分かる〜と深く頷きましたし、『新しいこと=寄り道』という表現も面白いなと思いました。

私も『寄り道』を程よくしていきたいものですね。

ちなみに私は、ビールよりもチューハイやカクテル派です。

 

捨てられないもの

「必要だから、愛しているから」ではなく「いつか必要になるから」で付き合っている、という関係性には、そういう発想もあるのかと唸らされました。
そしてそのような関係は、必要性の乏しさから「一緒にいても、ほぼ一緒にいないみたい」ような感じなのかなと、切なくなりました。

「捨てられないもの=大体捨てても大丈夫」ということなのかもしれませんね…。

 

また「同じだと思うと捨てられなかった」という場面からは、主人公の以下のような心情も感じられました。

 

・主人公は、カレオのことをまだ好きでいる。

・「いつか必要になるから」で捨てられないものは、主人公と似たような存在のものと言える。

そんな存在を捨てることは『自分が捨てられることを認めること』とも捉えられる。

だから捨てられなかった。

 

好きという感情は、時に残酷ですね。

 

温い水

『内心が伴っていないながらも、理想の恋人っぽい言動をとる2人』の物語なのかなと感じました。

 

しかし、主人公は「相手も同じように、理想の恋人っぽいことをしている」と理解できています。

加えて、最後の映画に行かない選択は“理想の恋人っぽい行動"ではないにも関わらず、2人とも近しい方針の提案をしています。

これらから『理想の恋人っぽい言動をとっていたら、理想の恋人に近づいてきた2人』とも捉えられるのではないでしょうか。

 

形から入ってその形になれている、まさに『■から○になっていっている』物語だなと感じました。

 

最後のジャム

ソウの性格が一貫している展開だと感じましたね。


最後にソウが別れを切り出したのは、「おれ、無職になった」に対して、ソウ的に一番芳しくない反応が返ってきたからなのかなと考えました。


「嘘でしょ〜」というような反応なら、「相手は自分のこと(エイプリールフールにはわかりやすい嘘をつくような人間ということ)をよく分かってくれている」や「察しが妻になってくれる」と思えます。
また「わかった、頑張ろう!」なら、「もし将来そんな状況になっても大丈夫だな」と思えます。
しかし実際の主人公の反応は、「一緒にいても自分のことを見てくれていない≒自分である必然性がないし、自分にもしものことがあっても相手は自分のことしか考えていない」と思わせられるものでした。

 

だから「そんな相手とは別れるべきだよね。だって、良い夫婦って、心身ともに寄り添い合うべきなのだから」と思った=「主人公とじゃ、“教科書通りの"の良い夫婦にはなれない」と思った、のではないかと考えました。

なぜならソウは、教科書通りを目指す男ですからね。

 

一貫性や必然性が好きな私好みの話でした。

 

新しい世界を創ろう

「心地よくて浸って腐ってしまってそれを共有しようとする、それが宗教」という考え方は、新鮮で面白かったです。

盲目になってしまった、狂ってしまったのではなく、意図的に引き摺り込んで仲間を増やそうとしていたわけなのですね。

 

また、主人公は「同棲するような相手の誘いだったとしても、宗教には入りたくないんだな」と思いました。

恋人同士だろうと、宗教信者同士だろうと、一緒にいることには変わりないはずなんですけどね。

このことは「同じ道を歩む」や「同じ価値観を共有する」という目的ではなく、あくまで恋人という関係性=愛の存在を、重要視している』ことの表れなのかなと感じました。

 

外観ではなく内心にこだわるのも、また人間ということなんでしょうかね。

 

めぐりめぐる話

同性愛者の心情を描いた話だなと感じました。

(明確な言及はありませんでしたが、素直に、口調から「アサヒ=女性」とします。)

 

「ドライカレーのほうがおいしい」や「双子の女の子のほうがなんとなく好き」から、「なんとなく女の子のほうが好きだから、同性愛者になった」そんな2人の話なのかなと考えました。

このことから、「普通と違うからといって何か特別なことや壮大なこと、おかしなことがあるわけじゃなくて、ただ単純に『なんとなく好き』だから、同性愛者なのだ」=「一般常識と違うからといって、何も大袈裟に、悲観的に考える必要なんてない」というメッセージが込められているのではないかと考えました。

 

また、タイトルは「いろいろ悩んだり考えたりするけど、結局『なんとなく好き』だから、同性愛者になったんだよね」という結論に、めぐりめぐって戻ってくるという意味が込められているのかもしれませんね。

 

他にも「ごはんをつくるのは命がけ」は印象に残りました。

M

「拗れたオタクすぎるだろ…!」と思いました。


「好きすぎるゆえに二人だけのものだと思いたいけど、本物に会おうとすると否応なく他人の存在を認知してしまう。だから本物には会おうとしない」という思考から、言葉遊び的な面白さを感じましたね。

言葉遊び的な面白さは好きですし、全てとはいかずとも理解・共感できる思考だったので、かなり好きな話です。

 

ただ『本物に逢わないことが、最も幸せな状態』というのは、なんとも悲しいですね。

「完璧主義の良くないところ」が描かれているとも捉えられそうです。

 

夜から醒める

「やっぱり、生きているだけじゃ、生き生きしているとは言えないんだな」と感じる話でした。
「3大欲求を満たしているだけじゃ心までは満たされない」「相手がいるけど心が通じ合っていなければ、ずっと寂しいまま」といったことが描き出されている話だなと思いました。

やっぱり相思相愛が一番ですね。

 

あと、深読みしすぎて監禁の話だとは思いませんでした笑

 

ある日蒸発した水溜りの僕

「好きすぎて緊張してしゃべれなかった」という事実に衝撃を受けましたね。

 

本話は『言葉がなくても伝わる』へのアンチテーゼなのかもなと感じました。

結局、何度体を重ねても、言葉として伝えられなければ分からなかったわけですからね。

 

「声を出すユミコにも興奮した」のは、「萎えそうな展開もユミコならOK」ということとも捉えられます。

つまりこのことは「橘は、実は内心ユミコのことが好きだった」ことの暗示だったのかもなと考えました。

 

隣の飯塚さんのポストに手紙を入れたのは、「今すぐに見てほしくないけど、いつかは見てほしいから」だったのかなと思いました。ユミコからの手紙も保存されていましたからね。

もしくは、ユミコの手紙を隠したナヲへの意趣返しだったのかもしれませんね。

 

「色を奪う」は『橘の個性が、ナヲの個性に、塗り潰されていくのではないか』みたいなことなのかもなと感じました。

「自分と似ている=同じような“色"」の橘に、変わってほしくなかったということなのかもしれませんね。

 

また、タイトルについては「蒸発は、失踪の意」、「水溜りは、ユミコの想いを受けるだけ受けて咀嚼(理解)できていなかったの意?」なのではないかと考えました。

 

他には「セックスというより、オナニーを手伝ってもらっているよう」は、繊細な心情を的確に表現していて印象的でした。

まぁ、普段使いはしにくいですけどね…笑

 

なみだの歌

前話から繋がっている“片想い連鎖"の話でした。

 

タケオはユミコに片想いしていて、主人公もまたタケオに想いを寄せていたのですかね。

しかし、タケオの前ではユミコは普通によく喋っていたということは、ユミコの本命ではなかったのでしょう。

おそらくタケオもそのことを察しており、それゆえに一生想いを伝えられなかったんだと思います。

 

「ユミコの死をきっかけに、ユミコへの想いが増してしまった」という点では、タケオも橘も同じとも言えますね。(ユミコの死後、橘は失踪し、タケオはユミコへの曲を作り主人公と別れたため)
3ヶ月間口数が少なかったのは、曲を作っていたからというより、ユミコに想いを馳せていたからなのかなと思いました。

『なみだの歌』とは、タケオがユミコのために涙したことを表現したと同時に、そんなタケオを見て想いを察した主人公も涙する、そんな歌だったのですね。

 

また「死後になってやっとユミコへの想いを形にした=生前には想いを伝えられなかった、タケオ」と「タケオに想いを伝えられなかった主人公」と考えれば、2人は似たもの同士なのかもなと感じました。

 

あと、最後の文章で「別れたんだな」「片想いだったんだな」「やけ酒してるな」って伝わってくる構成や表現になっていたのは、巧い文章だなと感じ、心地よかったです。

 

止まった洗濯機と乾いたシーツ

『ある日蒸発した水溜りの僕』の、「言葉がなくても伝わるのアンチテーゼ=言葉は必要」というメッセージに対して、「でもやっぱり真に通じ合う者たちの間には言葉は不要なのかもね」という、さらなるアンチテーゼが込められているかのような話でした。

言葉があることで伝わるのか、言葉がなくても伝わるのかは、結局時と場合、そして人によりけりなのかもしれませんね。

なんだか根も葉もない結論ではありますが、人は十人十色で千差万別ですからね。

1つの定理で語れると思うことの方が、不適切というものです。はい。

 

また、洗濯機が一度止まって動き出したのは「1人と1人の人生の歯車が噛み合い、2人として新たな時間が動き出した」かのようだなと感じました。

加えて、タイトルの「乾いたシーツ」は、「橘とナヲの物語が洗い流され、新たな2人の人生が刻まれていく始まりの状態になった」ということなのかもしれませんね。

 

ところで、このカレーが好きな男性は、もしかしてナナキなんでしょうかね…?

そんな繋がりを想像させるところも、本作の見どころですね。

 

夏、グレープフルーツジュースを飲みながら

ただただ温かい話だなと感じました。

アコースティックギターの音色は、アパートという「他人の存在も感じられる空間」ならではのものですね。
「部屋で区切っているんだから自分の空間を侵されたくない」とも思ってしまいますが、他人の存在を感じられるというのも、また良いものなのかもしれませんね。

 

もしかして「他人の存在を感じられる空間の良さ」は「赤ちゃんを身に宿すこと」にかけているのでしょうか。

赤ちゃんを宿すということは、「自分の身に他人を宿す=他人の存在を感じられる」ということですから。

 

他にも「新しいいのちが生まれるということは、新しいふたりになるということ」は、素敵な表現だなと感じました。

 

あとがき

「今のうちに古参になってください(笑)」がかっこよすぎました。

古参にならせていただこうと思います!

とりあえず、巻末で紹介されている2冊を、次の文学フリマ東京までに読みます…!

 

エピローグ

「関わらなくても、誰かを感じられるのは、良き人の営みなのかな」と感じました。
アパートに住んでみたくなった読後感の1冊でした。

 

 

以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

文学フリマ東京40での購入作品の感想は、今後も投稿していく予定です。

では、今後もよろしくお願いします。

 

おまけ

余談ですが、木爾チレン先生の旦那様である、けんごさんのYouTubeチャンネルのリンクも掲載しておきます。

小説選びに悩む方には、必見のチャンネルです!

youtube.com

 

私自身も以下の動画を見て、中山可穂さんの『白い薔薇の淵まで』に興味を持ちました。

 

youtu.be

 

小説好きの方や読書に興味のある方は、ぜひご覧になってください!

 

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【感想】『葬式百合アンソロジー』収録全話感想 〜「文学フリマ東京40」購入作品感想その1〜

マズラプです。293回目の投稿です。

今回は『葬式百合アンソロジーの感想を書いていきます。

本作は、文学フリマ東京40にて、『百合作家交流サークルはなびら』から頒布された作品です。

 

作品情報、出店者情報は以下の通りです。

c.bunfree.net

 

本記事では『葬式百合アンソロジー』に収録された作品全ての感想を書いています。

 

『葬式✖️百合』というテーマは、私の好みと相性がよく、非常に楽しめました。

中でも『春のあいだに咲いていて』が1番好きです。

 

本記事は、感想を発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなという思いで書いています。

作者の方々に届いてくれたのなら、嬉しい限りです。

 

作者の方に関わらず、読んでいただけるととても嬉しいので、どうぞ読んでいってください。

 

(※本記事は『寄稿者紹介』まで読んでから書いているため、その内容による考察も含まれています。)

 

『葬式百合アンソロジー』収録全話感想

残されたもの

葬式のイメージにふさわしい、静かで切ない雰囲気の作品でした。まさに本テーマの1作目にふさわしいなと感じました。

その一方で、内容は『葬式のない地域の話』という変化球だったというのも、また印象深かったです。

 

 

まず本作を読んでいて『関係性を定義する言葉による微妙なニュアンスの違い』を感じました。

 

加古は連れていく相手として、陽菜ではなく藤花を選びました。

しかしそれは、陽菜のことを大切に思っているがゆえの選択とも捉えられるのではないでしょうか。

「陽菜は、自分にとって一番大切な存在だから、まだ生き続けてほしい。だから、ともに死にゆく役回りは親友に引き受けてもう。」みたいなイメージです。

このことは「親友、妹的存在、大切な人」それぞれの表現での、微妙に異なるニュアンスを表現しているのかもなと思いました。

「憧れの先輩に想いを寄せる主人公、でもその先輩には親しい同級生がいる三角関係」という構図からも、立ち位置を定義する言葉を意識しているように感じます。

 

 

そして本作は、生きていく上で生じる変化や葛藤と、死後の世界の性質を合わせ『死後に希望を持たせる』物語だったのかなと感じました。

 

検索の末、薄黄色の粉は『抹香』なのではないかと思いました。

そして、抹香の意味として、興味深い内容を見つけたのです。

また、参列者にとっても、静かに香りを味わうことで心を清め、故人の在りし日を偲ぶ大切な時間となります。

(葬儀における抹香の役割と意味 | 終活図書館より引用)

 

本作における故人の在し日々とは「加古との思い出」を指すと考えられます。

もっと言うと「先輩後輩とか親友とか恋人とか、そんなしがらみのない、ただ楽しかった日々」の思い出なのではないかと思いました。
そしてそんな日々を指すものを手渡したということは「ただ無邪気に触れ合い楽しかったあの日々に戻ろうね」という想いが、込められているのではないでしょうか。

 

「また3人で一緒に遊ぼう」からの一連の会話は「あのただ楽しかった日々に戻ろう」という旨の内容と捉えられます。

実は加古や藤花も、今のような関係に変化してしまったことを、憂いていたのかもしれませんね。

そして陽菜の「生きているうちは許さない」は、「死んだら許す=死んだら、無邪気だったあのころに戻って、一緒に遊ぼう」とも捉えられます。

こんな発言をするということは、今の段階ですでに許してしまっているとさえ言えますね。


死んでしまえば、成長や関係性の変化、終わりとは無縁です。したがって死後の世界は「真の意味でのより良い関係を、ずっと続けられる世界」とも捉えられます。

本作は「死後の世界で出会い、また3人でただ楽しかっただけの関係に戻ろう」そんな希望が含まれた物語だったのかなと、解釈しました。

 

そして本作のタイトル『残されたもの』とは、「ただ楽しかった日々の思い出」であり、「その日々にまた戻れるかもしれないという希望」を指しているのではないかと考えました。

 

(※あくまで個人の感想です。)

 

白い葬式

個人的に好きな感情を得られた作品でした。

 

「両想いだったのに、もうその事実を相手には伝えられない」という状態が、とても苦しくて好きです。

両想いだったことによる嬉しさが強いがために、より苦しくなる味わいですね。

「あなただけを想っていたことが罰を受けた原因だとしたら仕方ない」とまで思えているのに、その想いが実ったことを知ることができないなんて……!

これが、葬式✖️百合の醍醐味の1つだなと感じました。

『絶対に既読がつかないLINEにメッセージを書く』は、嬉しさと苦しさが渦巻く心情が表現された行為で、とてもよかったです。

 

また《白い葬式》における『白』には、以下の2つの意味が込められているのではないかと考えました。

  • 本来なら両想いだと知れたタイミングから、ただの友達ではなく、両想いの2人としての日々が始まっていく。しかし、そのタイミングは葬式であり、両想いの2人の日々が描かれていくことはない=両想いになったあとの2人の日々は、いつまでも“まっさら"=白
  • 主人公以外は、故人の本当の姿を知らない=虚像への思いがほとんどの葬式=ある意味で虚無=白

 

他には「自分を慕わないから好き」は、偶然の縁だけでない、その相手だからこその必然性や唯一性も感じられて好きでした。

あと「お経を聴き入っていそう」などの部分は、独特な感性で面白かったです。

 

Phalaenopsis

異質で粘っこい、そして何より深すぎる愛に、戦慄した作品でした。

帰りの新幹線で読んでいたんですけど、顔を歪めざるを得なかったです。

まぁそういうのも嫌いじゃないですけどね。むしろいけるまであります。

 

前話の『白い葬式』の対を成す、葬式百合のもう1つの醍醐味がこれなのでしょう。
「死者から一方的に想いを渡してくるという点が共通していながら、まったく別の感情が呼び起こされてたのは圧巻でしたね。

葬式✖️百合の可能性や、作者の方々の個性を感じられました。

 

・無視じゃなくて返事してくれただけで嬉しい
・どんな形であっても構ってくれて嬉しい
・どんな形であっても記憶に残り、想っていてくれていれば嬉しい
など、盲目的で自分本位な想いを抱く人の解像度が高くてよかったです(震え)。

 

そして極めつけは、最後のページの下段です。

「必ず会いに行きます」は、そう言われた時点でもう忘れられなくなりますよね。

「私以上に貴女を愛する人は現れないでしょう、だって貴女のために死ねる人は出てこないのですから」は、強すぎるので禁止カードに指定しましょう(震え)。

 

あ、『Phalaenopsis』は『胡蝶蘭』で、花言葉には「純粋な愛」がありました。

まさに、純粋な愛(※特質系)を存分に味わえる作品でしたね。

 

 

春のあいだに咲いていて

切ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。

 

切なさがこれでもか凝縮されていたうえ、百合描写も秀逸な作品でした。

こういう切なさを感じられる百合は大好きなこともあり、本アンソロジーの個人的1位とさせていただきました。

 

まず、各キャラクターの属性というか、構図がよかったです。

  • 想い人を忘れようとし新たに恋人を作ったけど、それでも忘れられなくて、本当は会いたいけど会わない選択をした故人
  • 恋人に別に想い人がいることを察しながらも付き合い続け、想い人に想いを伝えることにした恋人
  • 死後に親友の想いを知る主人公

全員切なすぎるだろっ……!!

 

ミルクティーの「悪くないね」「さっきよりおいしいかも」のやりとりも、かなりよかったです。

この仄かに香る百合描写、最高すぎますね。

 

「うそ!卒業祝いのジョーク!」のあたりも、私に刺さりました。

「告白したけどダメそうな空気を瞬時に察し、冗談だったことにしてなんとか軌道修正して、友達のまま一生すごす選択をした」のかなと想像し、胸が締め付けられました。

「もう少し待ってみてもよかったんじゃ」と思ってしまうほどの速さの軌道修正が、辛さを助長しています。

あまりにも“百合の切ない面の教科書"すぎて好きです。

 

そして一番好きなのは、雪乃が乙花にキスをしたシーンです。

『本当は別に想い人がいるけど、叶わないから、自分を納得させ楽になるためにした、通過儀礼的なキス』という情報に、胸がいっぱいになりました。

このような感情が込められたキスは初めてで、新鮮かつ至高の味わいでした。

端的に、最高です。

加えて、自分のためのキスだけど相手のことを考えて「ごめん」って謝っちゃうのも好きだし、「でも今は私を見てくれていたからよかった」も好きです。

 

『春のあいだに咲いていて』は「咲いている時間よりも散っている時間のほうが長い桜」

に「ただ楽しかった可能性のある状態よりも、辛い失恋状態のほうが長い恋」を当てはめているのかなと思いました。

 

改めて、すごくよかったです。切なくて苦しくなる百合も最高だし、切なさや苦しさが込められた百合キスもまた最高なんですわ。

 

『女の子同士で付き合うとかありえない』という理由でわたしを振った幼馴染が女子のことを好きになったようなので、一晩で片思い相手を突き止めたいと思います!

コミカルなタイトルとは裏腹な、切なく美しい百合物語で、胸を熱くさせられました。

 

本作は、決してハッピーではない、いわゆるメリーバッドエンドな味わいです。

しかし、その結末を形成した感情は、紛れもない深い想いであり、それゆえに美しいものでした。

 

  • 相手のことが大切だからこそ、自分で妥協せず、もっと素敵な人を探して欲しい
  • 一時だけだったとしても、誰よりも好きな人のそばにるには、練習台だったとしても彼女でいるしかなかった
  • 万全の状態で望めないのなら、告白を躊躇ってしまう

これらは、明るく幸せなものではない、間違っているかもしれない感情です。

しかし想いの強さは確かなのです。

そんな感情が折り重なってできた結末は、ハッピーではなくとも、素敵なものであると、私は思います。


また、恋人の練習という存在にも、胸を熱くさせる意味があったというのが好きでした。

他にも「楽しそうに話してくれるから分からなくても聞いていた」や「好きな相手が喜んでくれたから、これからも喜んでもらえるように勉強し、果てには助けられる可能性を見出した」も好みです。

あと、手紙を燃やしてあの世に届けるという行為が、オシャレで好きです。

 

余談ですが『寄稿者紹介』を読んで、タイトルの空気感に納得しました笑

私も好きですよ、みかみてれん先生の作品。

 

見習い花葬師リズと可憐な親友

ファンタジー世界での葬式や、葬式を主導するキャラクター視点の物語は初めてで、新鮮でした。

 

どちらかというとハッピーに傾いた結末だったのもよかったです。

『友愛か恋愛か分からない』という百合の王道的な醍醐味がベースにあり、切なさと愛おしさを堪能できました。

もし花葬する選択をとらなければ、互いに一生想いを伝えられず、恋愛的な意味で両想いだと分かり合えることはなかったと推測できます。そう考えると、素敵な決断だったなと、胸が熱くなりますね。

やっぱり想いを伝える百合キスは最高です。

 

恋する宝石に

「最後の物語の味わいがこれ…だと…!?」となった、独特な味わいの作品でした。

 

読むにつれて「普通じゃない独特な感性の主人公が相手を振り回す話」から「ヤバいやつ✖️独特なやつ」の物語に変わり、戦慄しました。

 

また、タイトルの『恋する宝石に』は「雪に恋する、宝石(になる病を患った夏目)に、雪が魅せられ飲み込まれる話」と思えます。

しかし「雪は恋する、宝石に。(倒置法)」と読むと「雪が恋していたのは、夏目自身ではなく、あくまで宝石」とも捉えられます。

このことから、本作の“歪さ"を表現しているタイトルだなと感じました。

 

『寄稿者紹介』を読んでみて、本作の味わいは、確かに入間先生味があるなと納得しました。

なんというか「自分の中で腑に落とそうとすると、ヌルっと避けていくような」ハマりきらない独特さが、入間先生のものに通じるなと思ったんですよね。

例えるならば「階段があると思って踏み出したらなかった」みたいな感じでしょうか。


関連して、キャラクターの行動指針を、明確に「そういうことね」と理解できないものに仕上げられていたのが秀逸でした。どこか普通ではない、歪さを孕んだキャラクターの造形の深さを感じました。

というのも、読んでいてどこか「うーんそうじゃないんだよな」感を抱いてしまうんですよね。

例を挙げてみると、「え、結局会っちゃうの?」とか、「物事を円滑に進めたいのなら、もっと工夫できたところがあるのでは…?」とか、「包丁出されたくないと思ってるけど、完全に取り入ろうとしているかというと、そういうわけではなさそうだよね」とか、思ってしまうわけです。

こんな感じで、簡単には一貫性を形成させてくれないんですよね。

そしてこのことは、裏を返せば「普通とは一線を画すキャラクターを精巧に描けている」と捉えられます。

常識的に見て一貫してないように見えるが、それゆえに当人の中では独特な線引きがあることを想像させてくれて、キャラクター作りが巧いなと思いました。

 

あと「『綺麗だよ』じゃなくて『綺麗だね』って言ってほしい」は、めちゃくちゃめんどくさくて好きです。

 

おまけ:寄稿者紹介を読んで一言二言

・やみくもさん

まさに入間先生節で形成された方だという印象を受けました。前述した通り、入間先生味を感じられました。

 

・はるはるさん

私も初めて百合キスを見たのは『桜trick』だったと思います。

でも、百合キスに本格的にハマったのは『プリズマ⭐︎イリヤ』です。(唐突な自分語り)

 

・湖柳小凪さん

圧倒的“信用百合オタク感"を感じました……!笑

好きな食べ物ってそういうことじゃないと思うんですけどね……。でもまぁ、質問の意図である「あえて百合以外の質問をして、作家の個性を引き出そう」は、達成できているからヨシっ!

 

・霜月このはさん

温めていたアイデアが、私の文フリ初参加のタイミングで形になるなんて……!

何度でも言いますが、とても好きな作品でした。

 

・ろぺごろうさん

(Q3の回答について)

まさかの、軸となるものから決めるタイプ……!

「米やお酒」ではなく、あくまで「米やお酒に合うもの」なあたり、個性を感じました。

「『可愛い女の子がたくさんいるから』じゃなくて『女の子✖️女の子だから』百合が好き」ということなのだろうか。(考察オタク)

 

・しぎさん

(Q1の回答について)

その発想、とても素敵ですね。いただきます。(?)

 

・七雪凛音さん

(Q1の回答について)

正直なことを言うと「二次創作で百合小説を書き始めたきっかけ」が気になってしまいますね……笑

それで始めて7年くらい書き続けているから、なおのこと気になる……!

 

 

最後にXにて投稿した「葬式✖️百合」というテーマの所感を掲載しておきます。

 

 

以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

文学フリマ東京40での購入作品の感想は、今後も投稿していく予定です。

では、今後もよろしくお願いします。

【感想】『少女星間漂流記 3』収録全話感想

マズラプです。292回目の更新です。

今回は、ライトノベル『少女星間漂流記 3』の感想を書いていきます。

(※ネタバレありです)

 

 

本記事では、少女星間漂流記3に収録されている「擬の星」〜「真の星」の全ての話について、感想を書いています。

皆さんの感想と見比べながら、読んでいただければと思います。

 

また、以下は、Xに投稿した本作の感想です。

 

本記事は、感想や感じた魅力を書いて発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなというような趣旨のものです。

作者の 東崎惟子 先生並びに関係者のみなさんに届け!この思い!

作者の方に関わらず、読んでいただけるととても嬉しいので、どうぞ読んでいってください。

 

『少女星間漂流記3』収録全話感想

擬の星

この結末は、なんとなく察していました。

罠の救助要請セリフが大量に羅列された光景は、壮観でしたね(震え)。

 

他には、恥じらいながらセリフを言うワタリが可愛かったです。

星人「これもこれであり!」

私 「わかる」

 

また、「自分の声、嫌いなんだよね」「私はワタリの声は好きだよ」も百合を感じられてすごくよかったです。

後天的に変えられる顔や体とは違って、声は生涯変えられない、その人固有のものです。

そのため、自分の声を嫌うことはいかに自分のことが嫌いかを感じられてグッとくきます。

一方で「相手の声を好き」と言うのは、いかに相手を好いるかが分かり、その上相手の心を救える行為なため、胸がいっぱいになります。

初手から、ワタリとリドリーの百合を味わえて感無量でした。

 

蝕の星

今回のベスト3の1つです。

ワタリがルナへ向けた「改造人間同士だからこその友愛」と、ワタリとリドリーの絆の深さを感じられて、胸がいっぱいになりました。

 

『愛』にも様々な種類があるのだなと感じました。

「信頼できる、頼れるから好き」もあれば、「自分と同じくらいの存在だから好き」もあるのですね。

ルナは後者であり、まさに「愛と憎しみは表裏一体」だったというわけですね。

 

またリドリーの「『二人で一つの命』ゆえに『命が惜しいからこそ戦う』」は、痺れました。

ワタリに振られて不気味な笑いを浮かべたり、それでもワタリに生きてほしいと踏みとどまったりしたのもよかったです。

リドリーが話を聞いていなかったのは戦犯な気もしますが、「ワタリを想い信頼していたことの裏返し」という百合ポイントとも捉えられて、グッドでした。

なんだかんだでルナも助けられましたし、セーフです。はい。

 

他には、首輪をつけられて力を封じられるとか、性的に襲うことや惚れ薬を口移しすることを仄めかすとか、私の趣味趣向に合う言動やシチュエーションばかりだったのも嬉しかったです。

 

加えて『“蝕"の星』というタイトルには、以下のような、様々な意味が込められているのではないかと感じました。

  • ルナの体を“蝕"む改造人間の副作用
  • 「地球が、月と太陽の間に入る」月“蝕"が、「ルナが、ワタリとリドリーの間に割って入る」ストーリーを表現している
  • 地球と月が重なって見える月“蝕"が、ルナとワタリが出会ったことや、抱き合い1つになったこと、愛憎一体の感情を表現している

タイトルに込められた意味を考察するのも好きなので、そういった面でも、本話は味わい深かったです。

 

涙の星

いろいろな感情を抱けた話でした。

 

まず、自分なりにケジメをつけるルナの選択は印象的でしたね。

そんなルナの様子から『人間の持つ感情は不合理なのも。でもだからこそ人間の営みは美しい。』といったことを感じられましした。

 

また、ルナがワタリの申し出を断ったのは、一貫性を感じられてよかったです。

ルナが周囲に横暴な態度をとっていたのも、ルナがワタリを選んだのも「自分は周囲より優れていることを理解できていた=自分を客観視できていた」ことに起因しています。

そして今回の決断も、自分を客観視した結果のものでした。

そのキャラクターにおける合理的な行動が描かれている物語は好きなので、よかったです。

 

ワタリとリドリーの絆も描かれていてグッドでした。

  • 「渡された銃弾の説明を聞かない=リドリーのことを信用している」なワタリ
  • 「君がそこまで言うんだ。信用しようじゃないか」なリドリー

互いへの全幅の信頼を感じられる描写、ありがとうございます。

 

加えて、ルナの記憶を読んで月の人が嘔吐する流れには笑いました。

「何か感動的な解釈があるのかな?」と構えていたら、笑わせ展開が飛んできて、笑わずにはいられませんでしたね。

これが東崎先生スタイル…!

 

その他に「良い人も悪い人もない。その人がその人として、懸命に生きているだけ」は、真理をついたような言葉で印象に残りました。

また、月の人が使っていた光を見て、竹取物語でもそんな感じのが出てきたなと、ぼんやり思い出しました。

 

あと、女の子の体が光でズタズタ切り裂かれるシチュエーションもよかったです。

この作品、女の子に物理的に容赦がないのも好きポイントです。

まぁ、宇宙の星々は過酷ですからね。仕方ないね。

 

ぜひ、ルナと月の人の旅も見たいです。

4巻の発売を心から願っています。

 

読の星

小説を公開する辛さと喜びが味わえる話でした。

 

私自身も、自分の書いた小説を家族に見られたり、pixivや小説投稿企画に投稿したりした経験があったので、共感できました。

面と向かって「面白くないから小説家になるのはやめなさい」と言われた時は、結構辛かったですね。

一方で、pixivでいいねをもらえたり、企画主催の方に配信で「面白い」と言ってもらえたりした時は、胸が熱くなり救われたような気持ちになりました。

 

読者は作者の紡ぐ物語に救われますが、作者もまた読者の感想に救われるのですね。

これからも感想を発信し続けていこうと思えた話でした。

みなさんも感想を発信しましょう!

この感想も、東崎先生に届くといいなと思います。

 

また、再登場した『本の精霊』も印象的でした。もはや準レギュラーですね。

「問題ない。いけ」には笑いました。

 

本精霊さん、電子書籍ばかり読んでごめんて。

でもしょうがないじゃないか…!

紙の本じゃ、600冊も積読できないんだよっ…!!

 

 

これからも、感想を投稿して、たまには小説も投稿したり紙の本を買ったりしようと思えた話でした。

 

解の星

バラバラのバラにされるのは、エイリアン側でしたよと。

まぁ大きさについては言及してなかったからね。仕方ないね。

 

「バラバラのバラ」という表現からなんとなく察していました。

こういう、あえて予想を裏切らないストレート(王道の予想の裏切りとも言えるかも)もあるから、他の作品の感情の揺さぶりが活きるんですよね〜。

 

食の星

星人なりのSDGsの話でしたね。(すっとぼけ)

 

正直結構怖かったです。

加えて、想像の幅が生まれる内容で、何度も読み返し物語の真相を考えました。

ベスト3に選出しようか悩んだくらい、強烈かつ考察の余地のある話でした。

 

私なりの解釈は「1人を程よく壊し、負の感情を呼び覚ますことで、何度も再利用している」です。

工夫次第で何度もエネルギーを生み出せる、まさにSDGs

(そろそろ怒られそう。)

 

もしかすると、家族全員同時に同じことをすれば、一気に全員からエネルギーを回収できるのかもしれませんね。

(『男にやっていたことを、同時並行で妻と娘にも行う』ということ。「今も目の前で弄ばれている?」という発言から、あながち間違いではないのかも……。)

 

実際、人間の本能により、ネガティブな感情はポジティブなものよりも記憶に強く残りやすいそうです。

負の感情は強烈かつ再現性があるということで、星人たちにとって格好の食糧だった、というあらましなんですかね。

 

負の感情は何度も再現し摂取できる!

エコだね!

 

あと、映像を残しておいたのは、同族への『おいしく効率的な食べ方講座』のため、なんてことはないですよね…?(震え)

 

考えれば考えるほど、じわじわ怖くなってくる話でした。

 

慈の星

言葉遊びの面白さを存分に堪能できた話でした。

 

『一言で願いを叶える』って、相当難しい、というか無理ですね……。

曲解なく願いを叶えてもらうには、論文を書くように、前提とか条件とかを細か〜く記す必要があることが分かりました……。

「安住の星を見つける」で「安住の星を見つけて一生近づけない状態にする」のは、エグすぎてもはや面白かったです。

 

他にも、以下の点で、何度もなるほどと唸らされました。

  • 船になった船長は、舵には勝てない
  • “願いが叶っている状態を崩す"ことで、超常生命体を呼び出す
  • 言葉で伝えるのではなく、状態を示して認識せざるをなくさせる
  • 誰の願いも叶えないという願いを提示することで曲解を回避する

まさに、言葉遊びが大好きな私のための物語でしたね。

 

また本話でも、ワタリとリドリーの絆がガッツリ描かれていて、グッときました。

「リドリーと一緒なら、何も怖くないよ」最高です。

さらにその想いの強さが、一か八かの賭けに出る後押しとなり、状況を打開する原動力になる展開も素晴らしかったです。

2人の絆の強さがあったからこそ、ずっと旅を続けられているんだなと、改めて感じさせられました。

 

ワタリとリドリーのてぇてぇを的確に差し込んでくるのが、本作を愛読する理由の1つです。

ありがとうワタリ。

ありがとうリドリー。

ありがとう東崎先生。

 

没の星

サプライズ忍者理論と、本作の無限の可能性を学べた話でした。

 

元ネタがわからなくて「髪型 曜日 変える」で検索しました。

ハルヒは未履修なもので…。

 

最後はしっかり百合テイストで終わっていたのでグッドです。

ところでワタリさん、いつまで役作りをしているんだい?

 

神?の星

皮肉な締めが印象的な話でした。

 

コールドスリープされ、自分たちよりも無知な者たちの前に存在できている状態」が、神として祀られている

実際は全然神じゃないけど、無知な者たちの前で、物言わず「よくわからんけどなんかすごい…!」と思わせている今の状況は神っぽいね笑

という意味が「偉大なる種族のみなさんの願いも叶っている」には込められているのかなと考えました。

本当に全知全能だったのなら、星が滅びることもないでしょうからね。

 

神とは理解に及ばない存在。

自分たちを上げるか、自分たち以外を下げることで、神になれる。

今回は後者。

ということですかね。

「喋らなければ清楚で美人」に近しいものを感じ、思わず口角が上がりました。

 

産の星

エグいです。エグすぎます。

あまりの心を抉る結末に、今回のベスト3に選出しました。

これが東崎先生スタイルか…!

 

「元気に生きている証拠に思われていた『お腹を蹴る行為』が、実は抵抗の様子だった」という真実が、1番心にきました。

 

ワタリのこと以外には基本淡白なリドリーが、声を荒げ取り乱す様子にも、胸が締め付けられました。

「リドリーが命の誕生の凄まじさを体験した」描写が、いっそう真相の邪悪さを際立たせていますね。

ワタリとリドリーの子供の話で萌えと切なさを感じたり、悲鳴の内容で笑っていたりしていたのに……。読後はすごい心持ちになりましたね……。

 

他にも以下の点で、心が苦しくなりました。

  • 天使の見た目をしているが、実は寄生生物
  • お腹にキス→寄生
  • 「真実を伝えれば母親の心が持たず、伝えなければ今後も食われ続けるという」板挟み
  • 「知らなければ幸せ」を選択せざるを得ない苦しみ

 

生命の誕生というテーマに掛け合わせて、なんて胸糞悪い物語をっ……!

そういえば、前にもこんな感じの話があったような……

確か『子の星』……うっ頭がっ

 

また、親目線からすれば「若くして死ぬのも、生まれた直後に安住の地で離れて生きるのも、ぶっちゃけ大差ない」のかも、なんてことも考えました。

子供のことを考えると、そんなことは言えませんけどね。

 

総じて、様々な思いを抱かせられた、強烈な話でした。

 

皮の星

短いながらも洗練さを感じる話で、今回のベスト3に選出しました。

 

「直接的な悪口がなくなったら、皮肉が出てくるだけであり、根本的な解決にはならない」というわけですね。

「移住には最高の星」は皮肉でした、と。

 

一体どんな素晴らしさがあるんだ?

皮肉だらけで、全然素晴らしくないじゃん…

「お分かりいただけたようですね、この星の“素晴らしさ"を」

これも皮肉か!

 

という、ある種綺麗さを感じる流れで「そういう話だったのか!」と膝を打ちました。

まるで、最後のセリフ後に「お後がよろしいようで」と聞こえてきそうです。

 

短いながら「うまい!」「なるほど!」と思わせてくれる物語が出てくるのも、本作の醍醐味ですね。

 

虚の星

悲しい気持ちになるとともに、勇気をもらえた話でした。

 

「目的地がないのと、目的地があるかどうかわからないのは、ほとんど同じようなもの」

は、ワタリとリドリーの旅路の現実を突きつけてくる言葉でしたね。

急に心が冷たくさせられたような気持ちになりました。

 

しかし一方で「たとえ茨の道であろうとも、目的地(目標)がはっきりしていることは、幸福なこと」とも捉えることができると思いました。

この転換から、日々を生きる活力をもらえたような気がします。

 

ワタリとリドリーの旅路の過酷さと対比させて、私たちに覚悟と勇気を与えてくれる、そんな話だと解釈させていただきました。

 

真の星

へ、平和だな〜(震え)。

ワタリが腕っぷしの強い文学少女になりつつある日々この頃。

 

実際もし本作が妄想オチエンドだったらかなりメンタルを抉られていたので、ワタリの小説オチエンドでよかったです。本当に。

これからも、旅と執筆を続けていってほしいですね。

 

おまけ:あとがき

頭の中に『夢幻』が流れてきました。

これは、鬼◯の刃ハッピーエンドルートを示唆していたのかもしれません…!

無◯様は、鬼ではなくペットボトルになればよかったということかっ…!!

youtu.be

 

東崎先生、いつも面白いあとがきをありがとうございます。

今後も楽しみにしています。

 

おわりに

今回の内容は以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。

多彩で変幻自在な物語による、本作ならではの読み心地は、代え難いものがありますね。

4巻の発売も心待ちにしています。

 

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【感想】『バケモノのきみに告ぐ、2』を読んで特に印象に残ったこと

マズラプです。291回目の投稿です。

今回は、ライトノベル『バケモノのきみに告ぐ、2』を読んだ感想を書いていきます。

(※ネタバレありです)

 

 

 

 

ネタバレ控えめの感想はこちらです。

 

本記事では、上記の感想では語り足りなかったことについて、書いていきます。

(諦めて技名をざっくり書いている節がありますが、ご了承ください…。)

 

本記事は、感想や感じた魅力を書いて発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなというような趣旨のものです。

作者の 柳之助 先生並びに関係者のみなさんに届け!この思い!

作者の方に関わらず、読んでいただけるととても嬉しいので、どうぞ読んでいってください。

 

『バケモノのきみに告ぐ、2』を読んで特に印象に残ったこと

描かれるヒロインたちの新たな一面

今回は、ヒロインたちの過去が掘り下げられるとともに、ヒロインたちの新たな内面が描かれていく巻でしたね。

1巻では、ノーマンへ向ける想いやぶっ飛んでいる面が中心に描かれていました(多分)。

対して2巻では、ぶっ飛んでいないというか、人間味を感じられる一面を見られました。

 

優しさに報えないことに耐えられない、律儀さを持っていたエルティール。

案外感情的だったロンズデー。

他人の心中を察せてはいなかったけど、紛れもない優しさを持っていて、それゆえに他人を拒絶し、自分を罰していたシズク。

なんでもできるが故に、救えなかった存在は「自分のせい」と捉えてしまうクラレス。

 

内面の掘り下げは、感情移入の度合いを増せて、より楽しめるので嬉しいです。

個人的には、自分を恨んでいると思っていた親友の楽譜を見て、シズクが精神的に救われてくれたのがよかったですね。

 

また、後述しますが、2巻を経ても推しは変わらずシズクでした。

 

ノーマンが中心にいる“4人と1人"

今回は、ノーマンで繋がった4人が、ノーマンを介さず親交を深めていくようなストーリーでした。

 

  • 思ったより口が回るエルティールにたじたじなロンズデーの構図
  • “助手"から“相棒"になり、互いに相手がノーマンと関わりを持っていることを認めた発言をしていたエルティールとロンズデー
  • お互いに優しさを持っていたシズクとクラレ

などが印象に残りました。

 

しかし『やはり中心にはノーマンの存在があった』というのが、最も印象的でした。

 

  • エルティールは、ノーマンに嫁ぐと言っていた
  • 推理解決における面倒な思案はノーマンが請け負っていた=ノーマンは、ロンズデーに純粋に推理ができるように仕向けていた
  • シズクとクラレスの連携を支えていたのはノーマンの修練だった

といったように、やはり最後にはノーマンが出てきたわけです。

 

この、ノーマンが中心にいる感じが、本作の“4人と1人"の関係性らしくてよかったですね。

 

 

激アツ!“深化状態“合体技!

今回の第2巻で最も印象的だったのは、各章終盤に登場した『合体技』です。

破壊力や効果、ネーミングがかっこよかったですし、「見開きセリフ入り挿絵でドーン!」も迫力があってよかったです。

しかし1番好きなのは、どちらも「その2人でしかできず、かつ流れが秀逸だった」点です。

以下では、その点について熱く語っていこうと思います。

 

ロンズデー&エルティー

まず、ロンズデーとエルティールの合体技についてです。

ロンズデーとエルティールの合体技は『相手の戦い方を見て、自身の成長に繋げる』という展開が印象的でした。

異能力バトル大好きオタクの私としては、とても楽しめましたね。

 

ロンズデーは

ウィスパーは血液を操っている

そういえば自身の能力も、血液を対象にできるよな

じゃあ自分も血液を使って能力を行使してみよう!

 

エルティールは

ウィスパーは血液を操っている

つまりは、液体に指向性を持たせている

そんなウィスパーの戦い方を真似れば、咆哮に指向性を持たせるヒントを得られるのではないか

 

といった具合で、それぞれウィスパーの戦い方を参考にしていました。

 

そして完成した合体技は、ロンズデーとエルティールの2人でしかできず、かつウィスパーが相手だったからこそ完成しました。

 

「ただヒロイン同士で合体技を作り上げるのではなく、その組み合わせ、その状況だからこそのものを作り上げる」

この唯一性というか、必然性の高さが、私の好きなポイントです。

 

シズク&クラレ

次に、シズクとクラレスの合体技についてです。

 

シズクとクラレスの場合は、ロンズデー&エルティールとは違い、最初から連携が取れていました。

それは2人とも、ノーマンから修練を受け、戦闘技術を身につけていたからです。

ロンズデーやエルティールは、身体能力向上型のアンロウなため、ノーマンから戦闘技術を教えてもらう必要はありませんからね。

ゆえに、シズクとクラレスだからこそ、息が合ったというわけです。

 

また、前述したように、ノーマンなしで仲良くなるというテーマでありながら、その過程にノーマンの影がちらつくのもよかったです。

ヒロインたちにとっての、ノーマンという存在の大きさが垣間見えますね。

 

そして作り上げられた合体技は『空気の弾丸』です。

狙撃銃を得物とするシズクと、空気を操作するクラレスならではの合体技ですね。

 

さらに極め付けは、音叉の仕組みを活用した、残響涙花の効果増幅です。

「音叉みたいにできないの?」という何気ない会話が、合体技の伏線になっていたのには、唸らされましたね。

 

 

“深い愛"が見え隠れ

今回のノーマンは、ストーカーもとい見守りをしたり、仲良くなったヒロインの様子にニヤニヤしたりと、大活躍でしたね。

本気でちょっと気持ち悪いなと思いました。

まぁそれが本作の醍醐味ですからね。仕方ないですね。

 

しかしヒロインたちも負けてはいません。

  • 「一生お世話してもらうつもりでした」(→まぁ一生世話するつもりだからいいけど)
  • 上裸のノーマンを見てムラムラする

など、重さもとい深い愛が描かれていました。

 

この“深い愛"(意味深)も、本作の醍醐味ですね!

 

 

いろんなシズクに萌え

1巻を読んで、私はシズク推しになりました。

そして無事今回も、シズクの一挙手一投足に萌えを感じていた次第です。

前述した、今回新たに描かれた内面に加えて、以下の内容も印象に残りました。

 

  • シズク(塊の姿)
  • 回転の遠心力を活かした近接戦闘
  • 「だっる」
  • 「きっしょ」
  • 「はぁ?」
  • “舐められたら殺す"
  • クラレスに体重を乗せた膝を叩き込んで「あはっ」
  • ノーマンマウントを取られるとすぐに乗る
  • (アイリスの装備などについて)何も知らないシズクさん
  • ノーマンのあんなことやこんなことを妄想して精神干渉を乗り切る
  • 「何が変わるって、気分が変わるんですよ!ノーマンくんの愛を感じられるから!」

 

改めて振り返ってみると、シズクの魅力(意味深)てんこ盛りな第2巻でしたね!

 

中でも近接戦闘は印象的でした。

潜伏態のアンロウで得物が狙撃銃でその上引きこもりで、いかにも近接戦闘は苦手そうなシズクの、あの大立ち回りには驚かされました。

1巻では、異能や銃撃しか描かれていなかったので、肉弾戦もいけるとは予想外でしたね。

特に、狙撃銃でぶん殴るという戦闘スタイルはかなり新鮮でした。ギャップ萌えです。

 

あと毒舌なのもよかったですね。

他人を守るための拒絶という点もグッドです。

 

正直な話、以下の要因により、シズクはかなり私の趣味趣向に刺さっています。

  • 見た目
  • 能力に伴う代償による行動(相手を精神的に壊さないために相手を拒絶したり、肌の露出を極力抑えたり)
  • ノーマンと出会ったあとは、自分を苦しめていた能力で、ノーマンへ想いを募らせている(重さは深い愛の裏返しであるため◎

 

そのため、今後何が起きてもギャップ萌えで脳内処理する自信がありますね。

シズクしか勝たん。

 

 

「美女・美少女の肉弾戦からしか摂取できない栄養素がある」

また今回は、ヒロインたちが肉弾戦を繰り広げていたり、大小様々な負傷をしていたりしたのも印象に残りました。

というのも私は、体術を中心とした近接戦闘をしたり、傷を負ったりする女の子に萌えを感じるオタクなのです。

無双するのも良いですが、劣勢に陥り物理的ダメージを負う女の子もまた一興というわけですね。

具体的な場面をあげると、身体強化により滅多に重傷を負うことはないロンズデーが肉を引き裂かれていた場面や、シズクとクラレスが地面に叩きつけられる場面なんかは、特によかったです。

 

……これ以上はやめておきましょう。

柳之助先生、今後もよろしくお願いしますね(ボソッ)

 

 

おわりに

今回の内容は以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。

余談ですが「爆弾魔の最期が“自身の爆発"」だったのも、結構好きでした。

 

本作は、第3巻の発売も決定しているとのことで、嬉しい限りです。

そして「4巻まで刊行&4人のヒロインの表紙」の達成も切に願っております。

なんなら、5巻6巻と続いていただいても、一向に構いませんよ!

 

以上です。今後もよろしくお願いします。

 

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