1. はじめに
「推し発信をしている今の自分に、こんなぴったりな本があるのか!?」
それが第一印象でした。
マズラプです。268回目の投稿になります。
今回は、実用書「推しの素晴らしさを語りたいのに『やばい!』しかでてこない 自分の言葉でつくるオタク文章術」を読んだ感想を書いていきます。
・「推しの素晴らしさを語りたいのに『やばい!』しかでてこない 自分の言葉でつくるオタク文章術」(三宅香帆, 2023, ディスカヴァー・トゥエンティワン)
以下では、本書の全体的な雰囲気と、特に印象に残ったことを3つ挙げていきます。
本書の全体的な雰囲気
「推し発信の指南書」
特に印象に残ったこと3つ
①感情を保存するために感情を言語化する
②書き終えることが何よりも重要
③個性は誰かの真似から染みだしてゆくもの
今回の記事は、「印象に残ったことを書くことで自分の記憶に定着させたい」「本書を読んだことのない人が本書を読むきっかけをつくりたい」という考えのもと作成しております。
本記事を読み、本書の内容に触れることで、少しでも興味を持っていただければ幸いです。
とはいえ、そんなに気負わないでいただいて大丈夫です。
ぜひ本記事は「ちょっと知見を広げようかな」といった気軽な気持ちで読んでみてください。
2. 「推しの素晴らしさを語りたいのに『やばい!』しかでてこない 自分の言葉でつくるオタク文章術」の全体的な雰囲気
まずは、私の感じた本書の全体的な雰囲気について書いていきます。
本書を読んでみて、「推し発信の指南書」という印象を受けました。
本書では、推しについて語るための心得や、具体的なノウハウが記載されています。
第1章、第2章では、推しについて語る意味や、推しについて語る際の心得や大切にすべきことについて述べられています。
その後、第3章〜第5章では、推しについて「しゃべる」、推しについて「SNSで発信する」、推しについて「書く」というシチュエーションごとに、ノウハウや重要なことについて書かれています。
このように、本書は「推しの素晴らしさを語りたい!」つまりは「推しの素晴らしさを自分の外に向かって発信したい!」という人にとって、力になってくれる本だと言えます。
私自身も、日々自分の好きなコンテンツの感想を発信しているので、本書の内容は非常に参考になりました。
「推しについて語りたい!」という思いを持つ方には、ぜひ手にとってほしい1冊です。
では次に、本書を読んで特に印象に残ったこと3つについて書いていきます。
3. 「推しの素晴らしさを語りたいのに『やばい!』しかでてこない 自分の言葉でつくるオタク文章術」を読んで特に印象に残ったこと3選
①感情を保存するために感情を言語化する
1つ目は、「感情を保存するために感情を言語化する」という考え方が印象に残りました。
言葉は、自分の好きな感情、好きな景色、好きな存在がいつかなくなってしまうとしても、いつでも取りだして愛でることができるように、保存するためのものです。あなたの感情を保存しておけるのは、あなたの語る言葉だけなのです。
……というわけで、軽率に、気軽に、推しを語ろう!
「感情を保存するために感情を言語化する」という考え方は、この本を読んではじめて知りました。
それにより、推しについての発信の新たなモチベーションを獲得することができ、今まで以上にやりがいを感じることができるようになりました。
どうしても時間とともに記憶や感情は薄れてしまいますし、感情のもととなったものも変化したり無くなってしまったりしていきます。
でも、そのときの感情を自分の言葉で言語化し文章にしておけば、その感動は未来永劫残り続けるのです。
「あのときはこんな気持ちを感じていたんだな」と思い返して心を温められる、そんな未来のために、今感じた感情を言語化していこうと思いました。
今では「感情は薄れていく、自分の感情を保存できるのは自分の言葉による言語化だけ、それなら今すぐ語らなきゃ!」そんな熱い気持ちが湧き上がってきます。
推しについての発信のやりがいをより一層感じることができるようになった言葉です。
②書き終えることが何よりも重要
2つ目は、「書き終えることの重要性」が印象に残りました。
どんな文章でも、アイデアだけなら誰でも思いつきます。でも、その頭の中にあるアイデアを文章にして書き終えて、世に出すまでは遠い道のりなんです。その遠さをいつも実感しています。
だからこそ、道のりを遠く感じても、とりあえず書ききってほしい。
ぶっちゃけ、書き終えること以外に書き終えるまでに重要なことなんて、ないです!
とにかく最初は、「書き終えただけ、えらい」と自分で自分を褒めながら、最後まで辿り着きましょう。言葉が変でも、文脈がおかしくても、ここでは書き終えることに勝る目的は存在しません。
この考え方を知ったことで、心が軽くなり、文章を書く気力が得られました。
今まで私は、長文において、書き終えることの大切さを認識していませんでした。
「書き終えることなんで当たり前で、簡単に乗り越えるべき段階」そんなふうに思っていました。
しかし、文章を書き終えることも、十分立派なことだったのですね。
このことを知ったことで「今まで書き終えてきた自分、そしてこれから書き終える自分」を褒め、誇っていこうと思いました。
今まで様々な文章を200回以上投稿してきた自分のことを、素直に「すごい」と気付け、「今までの自分、よく頑張った!」と自分で自分を褒められるようになりました。
そして「文章はとにかく書き終えればいい。そしてそれを今まで200回もやってきたんだらか、これからも絶対できる」と考えられるようになり、文章を書く心理的ハードルが大きく下がったように感じます。
文章を書くやる気を出させてくれた言葉です。
③個性は誰かの真似から染みだしてゆくもの
3つ目は、「誰かの真似をしていくなかで、どうしてもはみだしてしまうものが個性」という考え方が印象に残りました。
そして、誰かの真似をしていくなかで、どうしてもはみだしてしまうものが、自分の個性になるんです。最初から個性を出そうと考えるよりも、自分の好きな発信を模倣していくなかで、なぜかお手本と違ってしまうところが個性になる。
(中略)
個性は、誰かの真似から染みだしてゆくもの。
こちらの内容を読んで、私も自分の好きな文章を見つけて、それを模倣していくことから始めようと思うことができました。
「個性を出すためにまずは真似をする」という考え方は目から鱗で、驚き心に響きました。
個性というものは、闇雲に自分だけで書くのではなく、手本を真似ていくことで、はじめて形成されていくものなのですね。
よく考えてみれば、確かに、個性というものは、他者との比較によって初めて見出されるものですし、自分の中だけで個性が生まれることはないということにも頷けます。
本書でこの考え方とそれに基づいた学習方法を学ばなければ、一生自分で文章を書くだけで、なんの変化も成長も得られていなかったかもしれません。
この考え方に出会えただけでも、本書を読んでよかったと思います。
模倣は手札を増やすことと同義
また、話は少しズレますが、「自分の好きな文章を書く◯◯さんならどう考えるだろうと考えても、実際に内容を考えているのは自分なため、模倣にならない」という点も参考になりました。
つまり、自分の好きな文章を書く人の文章体をトレースすることは、自分の書き方の手札を増やしていることと同義なのだなと感じました。
そういった意味でも、文章を模倣していこうと思いました。
4. おわりに
今回の内容は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。
冒頭でも述べましたが、本書は「今の私にとってぴったりの一冊」でした。
この本に出会えたことは、一生の財産になると思います。
本書を書いていただいた 三宅香帆 先生、本当にありがとうございます。
さらなる出会いを求めて、これからもたくさん本を読んでいこうと思います!
では、今後もよろしくお願いします。
5. 出典
・「推しの素晴らしさを語りたいのに『やばい!』しかでてこない 自分の言葉でつくるオタク文章術」(三宅香帆, 2023, ディスカヴァー・トゥエンティワン)
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