1. はじめに
マズラプです。198回目の投稿になります。
今回は、ライトノベル「メンヘラが愛妻エプロンに着替えたら」を読んだ感想を書いていきます。
以下では、読んでいて印象に残ったこと3つを挙げていきます。
どちらかというと、作品の紹介というよりは、感想や感じた魅力を書いて発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなというような趣旨の記事になっています。
作者の花宮拓夜先生並びに関係者のみなさんに届け!この思い!
作者の方に関わらず、読んでいただけるととても嬉しいので、どうぞ読んでいってください。
2. 「メンヘラが愛妻エプロンを着たら」を読んで印象に残ったこと3選
①『メンヘラ』という属性
1つ目は「ヒロインが『メンヘラ』属性を持っていることが生かされていること」が印象に残りました。
「好き」ではなく『依存』
好きではなく『依存』という言葉を使っているのが、本作品らしさであり魅力の1つだと感じました。
これにより「依存先を見つけた感情を好きと勘違いしている」可能性があり、それをもとに葛藤する展開は、メンヘラを取り入れている本作品ならではだなと思いました。
正直な話「自分の嫌いな属性を持つ静音に関係を持っているということは『好き』ということなんでしょ?」という先入観を持って読んでしまっていたので、最後まで恋愛関係にならなかったことには驚かされました。
意図していないかと思いますが、ある種のミスリードとも感じられ、その点でも素晴らしい作品だと思います。
晋助と静音が互いに互いに対して好意を持ったのはいわゆる「返報性の原理」の一種かなと感じました。(返報性の原理 - Wikipedia)
しかしそう思うと同時に、そんな一言で片付けてしまうのは嫌だとも思いました。
それほどに、本作品がキャラクターやメンヘラという題材に、丁寧かつ真摯に向き合っていることを感じました。
「なら少し安心かも」の真意とは
物語最後に、晋助と静音に対して、千登世が「なら少し安心かも」という言葉を残していました。
この言葉に含まれている想いについても考えてみました。
その結果、私は「恋愛ではなく依存のほうが、関係が破綻しにくいから」千登世は安心したと考えました。
好きは、好きでなくなれば好きでなくなります。
何を言っているんだという話ですが、恋愛の場合は、関係が崩壊しやすいのではないかと感じました。
漫画「やがて君になる」では以下のようなことが述べられています。
「こういう」あなたが「好き」って、こうじゃなくなったら好きじゃなくなるってことでしょ?
「好き」は束縛の言葉
(「やがて君になる 2」より引用)
このように、少しでも相手の言動に違和感を感じれば好きという感情は薄れていくため、好きという感情で成り立っている関係は脆く壊れやすいのではないかと感じました。
それに対して依存で成り立っている関係は脆くないのかという話になりますが、正直よく分かりません…。
しかしながら、「自分の好きと違う」といった事態が発生しにくく、相手の言動を受け入れやすいのではないかと考えられます。
したがって、好きで成り立っている関係よりも、依存で成り立っている関係のほうが、破綻しにくいのではないでしょうか。
また、晋助が今までメンヘラ女子との関係で失敗した3回は、全て恋愛だったということも理由の1つだと思います。(むしろこっちの理由が本命な気がします)
このような理由から、千登世は「なら少し安心かな」と言ったのではないかと結論付けました。
あくまで私の意見ですので、みなさんそれぞれ自分なりの解釈をしていただければと思います。
②静音の言動にグッとくる
2つ目は「静音の言動」が印象に残りました。
私は気遣いをしてくれる女の子や自己肯定感の低い女の子が好きなので、静音にはかなりハマりました。
中でも一番印象的だったのは、飲み物を聞かれた際に、違う種類のものを用意する手間を考えていたところです。
些細で独特な気の使い方ですが、そんなところにまで気を遣ってくれるのかと、グッときてしまいました。
このあたりから、静音の魅力に取り憑かれていきましたね。
また「動揺、隠せてないよ」というセリフも強く印象に残りました。
晋助の動揺は、静音にとっては好ましくないことです。
しかし、あえてそのことを強調するような言動をとることで、晋助から自分を遠ざけさせ、晋助をこれ以上困らせないようにしているのですね。
本当は晋助と一緒にいたいのに。
静音の心境を考えると、胸が締め付けられ、感傷的な気持ちに浸ることができるセリフでした。
他にも
- 生活品の消費まで細かく把握している
- 「どんな形でもいいから、晋助の役に立ちたい」
- 『晋助にそんな心配をかけている時点で、私はすでに迷惑な存在になっている』と考える
- 『取り返しがつかないようにすることで晋助のもとに戻れないようにしよう』とする
- 「私なんかに?」
- 「すぐ泣く女なんて、面倒臭いでしょ……?」
など、私の心に刺さる言動や考え方がたくさんあり、読んでいて心地良い気持ちになりました。
そしてしまいには「地雷系ファッションもかわいいじゃん」とか「重い女の子も悪くないな」とか思うようになりました。
もしかすると、私も私を必要としてくれる人が必要な人間なのかもしれませんね…。
静音さん、私とも通い妻契約を結びませんか?
とにもかくにも、非常に魅力的なヒロインでした!
3. 巧みな気持ちの表し方
3つ目は「晋助の静音への思いの気付き方」が印象に残りました。
「晋助が頭に浮かんだものを描こうとしたら、真っ先に静音の顔が思い浮かんだ」シーンがかなり好きです。
晋助がいかに静音のことを思っているかが、イラストの練習をしているという属性と組み合わせて表現されていて感動しました。
また、このときに描いたスケッチを静音に見せて、静音のことを嫌っていたわけではないと伝えるシーンも好きです。
直接的ではなく間接的に表現してくるシーンを見ると、いいなぁと思いますね。
3. おわりに
今回の内容は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。
あとがきによると、本巻では構想の半分くらいの内容しか書けていないのだとか。
晋助と静音がどんな結末を迎えるのか、残り半分も非常に気になります。
2巻も読みたい!!
いっぱい売れてくれ!!!
2巻制作の発表を首を長くして待っています。
では、今後もよろしくお願いします。
作者の方へ
大変面白い作品でした!
だから謝らなくて大丈夫です!
今後の活躍も応援しております!
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