1. はじめに
マズラプです。202回目の投稿になります。
今回は、百合漫画「君と綴るうたかた」第4巻を読んだ感想を書いていきます。
今回の第4巻は、ついに夏織が重篤な病であることが判明し、物語はまた新たな段階へと移っていきました。
雫がるりに謝罪し、前に進むことができた第3巻でしたが、そこから上げて落とす、まさにフリーフォールのような展開でした。(作者談)
そんな「君と綴るうたかた4」を読んで特に印象に残ったシーンを3つ挙げていきます。
どちらかというと、作品の紹介というよりは、感想や感じた魅力を書いて発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなというような趣旨の記事になっています。
作者のゆあま先生並びに関係者のみなさんに届け!この思い!
作者の方に関わらず、読んでいただけるととても嬉しいので、どうぞ読んでいってください。
2. 「君と綴るうたかた 4」を読んで印象に残った好きなシーン
①根底では似ている雫と夏織の思考
1つ目は、雫の思考と夏織の思考が似ていると感じたことが印象的でした。
第16節で、夏織は、「君に与えられることがもうない」「雫の負担にしかならない」というようなことを話していました。
対して雫は、第9節で夏織に諭されるまで、過去の自分の過ちを悔いるあまり、自分を最低な人間だと蔑み、自ら命を絶とうとさえ考えていました。
この2人の思考を見比べてみると「自分が存在していること自体には価値がない」という点では、似ているのではないでしょうか。
暗く静かな雫と明るく元気に振る舞う夏織、一見まったく対照的な存在に思える2人ですが、根底の考え方は同じようなものだったのですね。
そして、第16節を経て、2人はお互いがお互いを支え合う関係になりました。
こう考えてみると、雫と夏織は出会うべくして出会ったのかなとさえ思えてきます。
とても温かい気持ちになりました。
②「ギク…」な夏織
2つ目は、第17節で雫の言葉に対し「ギク…」という反応をした夏織です。
このシーンでは、夏織の「雫に対する思いの強さ」や「雫との時間を大切にしたい気持ち」が垣間見えて印象に残りました。
今までの振る舞いに関して、少し偽っていた程度であれば、ギクという反応にはならないはずです。
したがって、今まで夏織は、雫の前ではかなり無理をしていたと言えます。
これは、夏織の雫に対する思いの強さの裏返しであると感じました。
「自分と一緒にいるときには、雫には笑顔でいてほしい」そんな思いが夏織にはあったのではないでしょうか。
そんなことを考えると、夏織のひたむきさに胸が熱くなりました。
あと、「ギク…」のときの夏織の表情がかなり好きです。
また、雫の「自分は小説に素直な気持ちを出しているんだから、夏織も本心を見せてほしい」という提案は、夏織が気兼ねなく素を出せる素晴らしい名案だなと感じました。
③病室で横たわる夏織
3つ目は、第19節の病室で1人でいるときの夏織です。
雫といるときには見せないような、暗く無気力さを感じさせるような表情にグッときてしまいました。
そこ!?と思われるかもしれませんが、ここです!
雫といるときはあんなに笑顔を見せている夏織ですが、1人で病室にいるときは、あそこまで生気の失われた表情をしているのです。
このことはつまり、雫と一緒にいる時間が、夏織にとってかけがえのない大切なものであることの表れであるとも考えることができます。
さらには、その後雫から写真が送られてきたときには、一瞬で笑顔の夏織になっていました。
雫と一緒にいる時間が、いかに夏織の心の支えになっているかがよくわかって、非常に好きなシーンです。
以上となります。
他にも
- 「ごめんね、うまくできなくて」
- 『とっくに手放せない存在になっていた』
- 雫の照れ顔や夏織の泣き顔など、普段見ることのない2人の表情
など、印象的なシーンがたくさんあり、楽しむことができました。
3. おわりに
今回の内容は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。
私は、笑顔の女の子と同じくらい「自分を卑下する女の子」や「涙を流したり絶望した表情を浮かべる女の子」も好きです。
本作品は、そのような私の『好き』を満たしてくれる素晴らしい作品です。
でもさすがに心が壊れそうです。
これ以上雫と読者の心を壊しにくるのはやめてくれ…!(いいぞもっとやれ)
今後のストーリーも非常に楽しみです!
では、今後もよろしくお願いします。
4. 関連記事