1. はじめに
マズラプです。212回目の投稿です。
今回はライトノベル「Mother D.O.G」を読んだ感想を書いていきます。
「Mother D.O.G」を読んで特に印象に残った以下の3つのことについて書いてきます。
①夜子の『圧倒的』優しさ
②『怪物』と『人間』
③『互いなしでは生きられない』夜子とサトルの関係性
どちらかというと、作品の紹介というよりは、感想や感じた魅力を書いて発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなというような趣旨の記事になっています。
作者の蘇之一行先生並びに関係者のみなさんに届け!この思い!
作者の方に関わらず、読んでいただけるととても嬉しいので、どうぞ読んでいってください。
2. 「Mothre D.O.G」を読んで印象に残ったこと3選
①夜子の『圧倒的』優しさ
1つ目は、夜子の優しさが印象に残りました。
1つ目の物語「Werewolf」冒頭での夜子は、愛想のない横暴な態度で、印象は良くありませんでした。
しかし、物語が進むにつれて、夜子の優しさが徐々に明らかになっていき、私も夜子に惹かれていきました。
「ツンツンしているけど根はとても優しい」というのは、私の好きな属性の1つで、ギャップ萌えしてしまいます。
強い覚悟による優しさ
そして、夜子の優しさは、生半可な覚悟では成し得ない、圧倒的な優しさであることが印象的でした。
相手を巻き込まないようにわざと嫌われる言動をとったり、街の住人を殺させないために自分を『餌』にしたり、自らが兵士の盾になったり。
物語の中で、夜子の、他人を守るためなら自分が傷つくことも厭わない『圧倒的な優しさ』を何度も見ることができました。
これらは「ちょっと気を遣う」程度の思いでは成し遂げることはできないでしょう。
夜子の覚悟そして人間を助けたいという思いが、いかに強いものであるかが伺えます。
中でも、涙を流してしまうほどの痛みにさらされながらも盾になり続ける姿には、思わず胸を打たれました。
朝子のおかげで、夜子は素晴らしい『人間』に育っていたのですね。
②『怪物』と『人間』
2つ目は、『怪物』と『人間』の対比が印象に残りました。
本作品では、『怪物』と『人間』について興味深い見解がたびたび述べられており、この2つの存在が対比されているように感じました。
怪物と人間は紙一重の存在
本作品を読んでいて、怪物と人間は紙一重の存在であり、一歩道を違えるだけで、瞬く間に人間は怪物になってしまうと感じました。
- D.O.G を使い人を殺したときに初めて『怪物』になる
- 生体兵器として生み出されたが、『人間』として育てられ、『怪物』を殺す旅をする夜子
- 「街を守ろうとする刑事」や「娘のために働く父」などの身近な人間が『怪物』になる
- 娘と会話するなど人間味を残したまま『怪物』になっていることもある
などから、『人間』と『怪物』は、コインの裏と表のように、隣り合っているようなものであるのということが伝わってきました。
人間らしさを保つことの価値
人間と怪物は紙一重の存在、だからこそ、人間らしさを保つことの尊さを感じました。
作品を読んでみて、夜子とサトルは紛れもない『人間』でした。
死体撃ちをしない、D.O.G の力をD.O.G を殺すことに以外には使わない、人間が殺されるのを阻止したい、人間が殺されるのは嫌など、夜子とサトルは、『怪物』の力を宿しながら、『人間』であり続けています。
夜子が朝子の家族を殺した怪物をなぶり殺しにしたことや、私情でサトルを怪物として生き長らえさせたことなどは、人間味を感じ印象に残りました。
私はこの2人の生き様に気高さを感じ、なんだか応援したくなりました。
これからも2人で『怪物』を倒し『人間』を守ってほしい、そう思いました。
③『互いなしでは生きられない』夜子とサトルの関係性
3つ目は、夜子とサトルの関係性が印象に残りました。
夜子とサトルは信頼関係にあります。
しかしそれだけでなく、サトルは肉体的に、夜子は精神的に、それぞれ互いを必要としています。
このような「互いがいると嬉しい」ではなく「互いがいないとだめ」な関係は、なんだかいいなと感じます。
ただ綺麗で美しいだけでなく、ドロドロというか生々しさというか、そういった綺麗ではない部分もある点に、ときめきを感じてしまいます。
夜子とサトルは、互いなしでは生きられない関係であり信頼できる間柄でもあります。
まさに相性抜群というわけですね!(それはニュアンスが違う気がする)
とにもかくにも、きっとこの2人であれば、いつか世界から全ての怪物たちを消し去るという壮大すぎる目的も達成してしまうのではないか、そう思わされてしまいますね。
3. おわりに
今回の内容は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。
上記の内容では触れませんでしたが、ミスリードも巧みで印象に残りました。
特に最後のサトルが出会った女子高生が、美衣ではなく叶だったのには、全く予想できておらず、とても驚かされました。
また、「見た目は子供だけど実はとても大人」「かわいい女の子が傷つく」「かわいい女の子が食べられる」など、個人的に好きな要素も多くあり、そういった点でも楽しむことができました。
夜子とサトルの旅路に、幸あらんことを…!
では、今後もよろしくお願いします。
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