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【感想】「死亡遊戯で飯を食う。4」印象に残ったこと3選 〜“死亡遊戯で飯を食う。らしさ”が色濃く表れたストーリー〜

1. はじめに

 マズラプです。274回目の投稿になります。

 

 今回は、ライトノベル死亡遊戯で飯を食う。4」の感想を書いていきます。

 

 

・「死亡遊戯で飯を食う。4」(鵜飼有志, ねこめたる, 2023, MF文庫J)

 

 本作品を読んで特に印象に残った以下の3つについて書いていきます。

①良い意味で予想を裏切られた『スクールメイト』

②“死亡遊戯で飯を食う。らしさ"が強く感じられた『シティシナリオ』

③「あなたのように死ねたら、それで本望だ」

 

 

 

 

 どちらかというと、作品の紹介というよりは、感想や感じた魅力を書いて発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなというような趣旨の記事になっています。

 

 作者の 鵜飼有志 先生並びに関係者のみなさんに届け!この思い!

 

 作者の方に関わらず、読んでいただけるととても嬉しいので、どうぞ読んでいってください。

 

 

 

 また、「死亡遊戯で飯を食う。」は、1〜3巻感想も書いています。

 気になる方はどうぞ!

 

 

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2. 「死亡遊戯で飯を食う。4」特に印象に残ったこと3選

①良い意味で予想を裏切られた『スクールメイト』

 1つ目は、『スクールメイト』のストーリー展開が面白いと感じ、印象に残りました。

 

 

 本章を読み始めたときは、「急に才能に目覚めちゃう系女子高生を手練れと勘違いしてしまうおもしろストーリーなのかな?」と思っていました。

 しかし実際は、記憶操作された元プレイヤーだったという展開で、なるほど!と唸らされました。

 

 

 しかも、冒頭で「運営による記憶操作は可能である」という情報が提示されていたため、この展開は、なんの後出しもない、すでに与えられた情報のみで構成されていたものだったのです。

 

 それに気づいたとき、物語構築力の高さに脱帽していました。

 

 

 さらに本章は、錐原の死亡のみを伝えることで、『ハロウィンナイト』で何があったのかというさらなる謎へと読者を誘っており、本巻のメインストーリーへの導入としての役割も十分に果たしていたと思います。

 

 

 「第4巻も面白そうだ!」と、ワクワクさせてくれたストーリーでした。

 

 

 

 

②“死亡遊戯で飯を食う。らしさ"が強く感じられた『シティシナリオ』

 2つ目は、今回の第4巻には、本作品らしさが強く表れていると感じ、印象に残りました。

 

 

 『シティシナリオ』のストーリーは、「デスゲームで生計を立てる=デスゲームが永久的に繰り返される」ことがどんな影響をもたらすのかについて描かれていると感じました。

 

 

 

デスゲームが繰り返されるからこそ、デスゲームで無用な殺生は控えなければならない

 今回のストーリーでは、紫苑のようにゲームで傍若無人に振る舞いすぎると、ゲーム外で排除対象になりかねないということが示唆されていました。

 したがって、いくら簡単に人が死ぬと言っても、ゲームであまり目立つような行動は控えなければならないわけです。

 

 

 これは、ゲームが繰り返されることが前提の本作品ならではの現象だと感じました。

 

 いわゆる一般的なデスゲーム作品であれば、そのゲーム一回限り、もしくは繰り返されるとしても参加者がほとんど違うといったようなイメージがあります。

 少なくとも「あのプレイヤーは今後のゲームでもルールに関係ない殺しをしそうだから、ゲーム外で排除しておこう」とはならないでしょう。

 

 

 作中で紫苑が「ゲーム外で殺されないために、ゲームに参加する」という状況に追い込まれたときには、合理的な判断ではあるのですが、なんだか滑稽で思わず笑ってしまいました。

 命の価値が軽いはずのデスゲームが一番安全な避難先になるなんて思わないじゃないですか笑

 

 これも、本作品が“死亡遊戯で飯を食う"だからこそ、なされた展開だと言えますね。

 

 

 

異質な倫理観

 また、そのことに関連して、プレイヤー間の異質な倫理観も印象に残りました。

 

 「ゲーム外での殺人は犯罪ではないか」という幽鬼に対し、「そもそも非合法の存在なのだから問題ない」と毛糸は返していました。

 

 

 紫苑誅殺を決めた毛糸の話からは、「ゲームのせいで死ぬのは許容するけど、殺人鬼に殺されるのは許容しない。だから無用な殺しをするプレイヤーは排除してよいといったような価値観が感じられました。

 

 この価値観には、「普通にゲームをプレイしたいだけなのだから、単なる人殺しはしてほしくない」「ゲームをしているんだから、別に人殺しくらい問題ない」という、どこか矛盾するような考えが混在しているかのように感じ、読んでいて「うん?」と疑問符が浮かんでしまいました。

 

 これも「デスゲームで生計を立てなければならない」という意識で、ゲームに繰り返し参加した弊害なのでしょうか。

 

 毛糸のセリフの中の「健全なプレイヤーライフのため」という文言には、なんだか思わず笑ってしまいました。

 

 

 このどこか歪な倫理観も本作品ならではの特徴だと感じます。

 

 

 

 これらのように今回の第4巻は、まさに、本作品が、デスゲームものではなく、『死亡遊戯で飯を食う。』なのだということを思い出させるような、“死亡遊戯で飯を食う。らしさ"が色濃く出ていた内容だったと思いました。

 

 

 

 

③「あなたのように死ねたら、それで本望だ」

 3つ目は、『ハロウィンナイト』終盤で幽鬼が放った「あなたのように死ねたら、本望だ」という言葉と、それに込められた思いが印象に残りました。

 

 今回の第4巻でも、「正しく生きていたはずなのに」や「マイノリティは淘汰されていく運命」など、私たちが普段の生活で感じるような、思わず共感してしまう感情が描かれていました。

 

 その中でも特に、今回挙げた幽鬼の言葉に込めらた「自分の人生を生きて死ねるなら本望」という考え方が一番印象的でした。

 

 

 

やりたいことを諦めて生き残るより、やりたいことをして死ぬ

 幽鬼がこの言葉を放った場面の心理描写から、「やりたいことを諦めて生き残るより、やりたいことをして死ぬ」といった思いを感じられ、私の胸も熱くなりました。

 

 「片目がなくなるくらいなんだ」「だったら、とことんまでやろうや」などから、幽鬼の生半可ではない覚悟や運命を受け入れる潔さを感じ、とてもかっこよかったです。

 

 さすが私たちの幽鬼!

 

 

 最近「苦しかったときの話をしようか」(森岡毅, 2019, ダイヤモンド社)という本で「失敗のない人生は挑戦をしない人生」という言葉を読んだのですが、今回の幽鬼の決意を見たことで、その言葉が自分の中に染み込んできたように感じました。

 

 

 私の推しである幽鬼の勇姿を見て、私も「限られた人生、やりたいことをやって死のう!」と、改めて思うことができました。

 

 

 やっぱり、「『死亡遊戯で飯を食う。』は、人生を生きるための熱さをくれる」そう思います。

 これからも本作品を読み続けていこう、そして幽鬼の歩む道の果てに待つものを見届けよう、そう胸に決めたのでした。

 

 

 ありがとう幽鬼!

 これからも応援してるよ!

 

 

 

 

3. おわりに

 今回の内容は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 上記で挙げた以外にも

「負のサイクルにはまる恐ろしさを内包したハロウィンナイトの構造」

「機能を失っていくことが判明した幽鬼の右目」

「クリアするけど死ぬ直前ギリギリまで追い込まれる幽鬼」

なども印象に残りました。

 

 特に3つ目は、ギリギリであるが故に、手に汗握る熱さを味わえるので、個人的にかなり好きです。

 あと、死にかける女の子もまた一興なので(※あくまで個人の意見です)

 

 

 すでに第5巻の発売も決定しているとのことなので、発売を楽しみに待っていようと思います。

 

 …冷静に、この作品の刊行ペース早すぎませんか…?

 作者の鵜飼先生は、幽鬼よりも命を大切にしてくださいね…!(死亡遊戯ジョーク)

 

 

 では、今後もよろしくお願いします。

 

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4. 参考文献

「苦しかったときの話をしようか」(森岡毅, 2019, ダイヤモンド社)

 

 

 

 

 

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