1. はじめに
マズラプです。224回目の投稿になります。
今回は、ライトノベル「死亡遊戯で飯を食う。3」を読んだ感想を書いていきます。
※ネタバレありです
本作品を読んで特に印象に残った以下の3つのことを挙げていきます。
①『死亡遊戯で飯を食う。流』ミステリー
②相変わらず独特な幽鬼の感受性
③続々と明らかになる各プレイヤーの『プレイスタイル』
どちらかというと、作品の紹介というよりは、感想や感じた魅力を書いて発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなというような趣旨の記事になっています。
作者の 鵜飼有志 先生並びに関係者のみなさんに届け!この思い!
作者の方に関わらず、読んでいただけるととても嬉しいので、どうぞ読んでいってください。
(例によって、巻末に収録された解説が素晴らしすぎるため、他作品の感想以上に思うがままの内容になっております。)
また、第1巻、第2巻の感想はこちらも書いております。気になった方は読んでいただけると嬉しいです。
2. 「死亡遊戯で飯を食う。3」を読んで特に印象に残ったこと3選
①『死亡遊戯で飯を食う。流』ミステリー
1つ目は、クラウディビーチの雰囲気が印象に残りました。
今までとは一線を画したゲーム「クラウディビーチ」
今回の第3巻に収録されていた「クラウディビーチ」は、「1巻分をほぼまるまる使って描かれている」「ゲームのルールが不明瞭」「熟練者ばかりの参加者」といった要素から、第1巻第2巻で描かれていたゲームとは一風変わった雰囲気のものになっていました。
ゲーム中の展開もこれまでとは異なり、不可解な現象の発生や各キャラクターの思惑の錯綜など、ミステリーや推理といった側面が強いデスゲームになっていたと思います。
しかしながら、散りばめられた伏線が一気に回収されていく爽快感や、プレイヤー間のじりじりとした緊張感など、今までとは違っていたからこそ味わえた良さがありました。
また、『本作品らしさ』も健在であり、総じて今まで以上に楽しむことができました。
以下では、その『本作品らしさ』について触れていこうと思います。
ぶっ飛び感
まず、本作品らしい『ぶっ飛び感』があると感じました。
殺害の仕掛けが『体内に埋め込まれた装置』だったり、どう考えても死んでるだろと思えるようなバラバラ死体となった永世が復活していたり、永世がルールギリギリを攻めて救助船から銃をかっぱらってきたり、幽鬼が落とし穴から蜘蛛のように移動して攻撃を仕掛けたり。
思わず「なるほど!(???)」「いや、そうはならんやろ!」となってしまうようなストーリー展開に、この作品らしさを感じ、引き込まれていました。
中でも、最後に幽鬼が永世の『中身』もぎ取りまくって勝利をおさめたシーンが、一番ぶっ飛んでるなと感じました。
現実世界では絶対起こり得ないであろうトンデモ展開に、もはや笑ってしまっていました笑
これからも、このような『死亡遊戯で飯を食う。らしさ』をどんどん見せ続けてほしいと思いました。
日常的に経験しうる『人間的感情』
もう1つの本作品らしさは、デスゲームでありながら、各キャラクターが「日常的に感じるような『人間的感情』を抱いている」ことです。
第2巻の三河ごーすと先生の解説でも「本作はデスゲームという非日常を題材としながら、徹底的に日常的な課題を扱っているのだ」と述べられていましたね。(「死亡遊戯で飯を食う。2」2023, 鵜川有志, MF文庫J より引用)
今回の第3巻でも、蜜羽の「これだと思えることがない」や、永世の「自分より劣っている人間が評価されていることが許せない」など、私たちの日常でも感じられるような思いが描かれていました。
これらの人間的な感情の描写を読んで、私は「これこれ〜!」とテンションが上がっていました。
私もすっかり『死亡遊戯で飯を食う。』に染まっていますね笑
登場人物が、自分も抱いたことのある感情を抱いていると、思わず見入ってしまいます。
これからも描かれるであろうキャラクターたちの熱い思いが楽しみです!
②相変わらず独特な幽鬼の感受性
2つ目は、蜜羽に溺死させられそうになったあとの幽鬼が印象に残りました。
私の推しキャラの幽鬼が簡単にやられてしまうなんて…
でも実を言うと、無双する幽鬼も好きですが、まだまだ無敵ではないが故にピンチに陥ってしまう幽鬼も好き…!
という話はさておき、蜜羽に殺されそうになったにも関わらず、幽鬼は「自由なやつ……」という言葉だけを残し、淡々と探索に移行したのがとても印象的でした。
感情薄い系プレイヤー幽鬼
普通に考えれば「全然手も足もでなかった…」とか「次はこうはいかないぞ…!」といったような思いを抱きそうなものですが、幽鬼は蜜羽に対してネガティブな感情を抱いた様子はありませんでした。
果てには、蜜羽が死んだあとには、情が湧いてすらいました。
時間が経ってから、少し悔しいや情けないという思考もしてはいましたが、幽鬼は普通とは異なる感性を持っていると言えるのではないでしょうか。
ゲーム常連プレイヤーの弊害
もしかすると、これはゲームに多く参加したことによる弊害かもしれないと思いました。
何度もデスゲームに参加し生死の境目を多く経験しすぎたことでそれに慣れてしまい、結果幽鬼は、自分が死にかけるだけではあまり感情が動かなくなってしまったのかもしれません。
そう考えると、今回挙げた場面は、幽鬼らしさと同時に、この作品らしさを感じられる部分かもしれないなと考えました。
3巻まで読んだ1ファンとしては、そんな幽鬼にすら愛着が湧いてきているので、幽鬼にはこのままのスタイルでプレイしていって欲しいなと思います!
③続々と明らかになる各プレイヤーの『プレイスタイル』
3つ目は、各プレイヤーの『プレイスタイル』についての言及が印象に残りました。
第3巻の中心であるクラウディビーチには、有力プレイヤーが多く参加していたり白士や御城などの過去に活躍したプレイヤーの話題も出ていたからか、それぞれのプレイヤーのプレイスタイルへの言及が多かったように感じました。
無限に存在するプレイスタイル
第1巻では「他のプレイやーへのスタンスは『利用する、無視する、助ける』の三種類ある」というような話が出ていました。
そのため、ゲームのプレイスタイルについては、これらの3つがベースであり、そんなに多くの種類はないものと考えていました。
しかし、今回の第3巻では、たくさんのプレイスタイルが登場しました。
真熊の『孤高』、古詠の『臆病』、海雲の『詭道』、永世の『学習』、御城の『支配』、白士の『否定』など、各プレイヤーの長所やゲームへの向き合い方を包括的に表したり、微妙な違いまで表現すると、プレイスタイルは千差万別で無数に存在するのだなと感じました。
プレイスタイルは、能力バトルものにおける『能力』に近い「キャラクターの個性を表す存在」だと感じられ、読んでいてワクワクしていました。
白士の『否定』なんかは、他と違った切り口の『一風変わったスタイル』という感じで好きですね。
今後現れる新たなプレイスタイルや、プレイスタイルのぶつかり合いが、今から非常に楽しみです。
3. おわりに
今回の内容は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。
実は今回の第3巻を読んでいて、蜜羽も密かに推しキャラになりつつありました。
遊んでいるように見えてしっかり周囲に気を配り観察していたり、幽鬼を手玉に取っていたりといった強キャラ感がありながら、一方では自分を束縛してくれるものがない、自分は空っぽだと憂いている一面もあり、私の好きなタイプのキャラクターだと感じていました。
まぁ死んでしまったんですけども…。
蜜羽が生きがいを見つけていくストーリーなんかも見てみたかった気もしますね…。
でも大丈夫!最推しの幽鬼は生きているので!
本作品はすでに第4巻の発売も決定しているそうなので、楽しみに待っていようと思います。
では、今後もよろしくお願いします。
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