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【感想】「ゆるコワ! 〜無敵のJKが心霊スポットに凸しまくる〜」印象に残ったこと3選 霊障が物語のパーツとして組み込まれた作品

1. はじめに

 マズラプです。249回目の投稿になります。

 

 今回は、小説「ゆるコワ! 〜無敵のJKが心霊スポットに凸しまくる〜」を読んだ感想を書いていきます。

 



・「ゆるコワ! 〜無敵のJKが心霊スポットに凸しまくる〜」(谷尾銀, 2023, 角川文庫)

 

 本作品を読んで、特に印象に残った以下の3つについて書いていきます。

①『霊障の怖さ』ではなく『ストーリーの面白さ』で楽しませてくれる

②心身ともに『無敵』なJK 2人組

③思い込みの怖さが描かれた『File2 黒津神社』

 

 

 どちらかというと、作品の紹介というよりは、感想や感じた魅力を書いて発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなというような趣旨の記事になっています。

 

 作者の 谷尾銀 先生並びに関係者のみなさんに届け!この思い!

 

 作者の方に関わらず、読んでいただけるととても嬉しいので、どうぞ読んでいってください。

 

 

 

 

 

2. 「ゆるコワ! 〜無敵のJKが心霊スポットに凸しまくる〜」を読んで特に印象に残ったこと3選

①『霊障の怖さ』ではなく『ストーリーの面白さ』で楽しませてくれる作品

 1つ目は、本作品の霊障の怖さではなく、あくまでストーリーの面白さで楽しませてくる」という作風が印象に残りました。

 

 

 本作品は、いわゆる霊障や怪異に該当するものが登場する作品になります。

 そういった作品は、「幽霊だ!こわ〜い」というような、霊障の恐ろしさが作品の面白さの軸に据えられているイメージがあります。

 

 しかし、本作品は、霊障による恐ろしさをメインに据えるのではなく、霊障もあくまでストーリー展開の一部にすぎないような描き方がされており、その分ストーリー展開の面白さで魅せてくるという印象を受けました。

 

(他の作品もそうかもしれませんが、私はあまりその手の作品を読まないので…。検討違いでも見逃してください…。)

 

 

 

 廃病院自体が怖いのかと思いきや廃病院に『向かわせられていた』という恐ろしさが描かれていたり、強盗事件だと思っていたものが実はひとりかくれんぼによるものだったり、カカショニという霊障が推理を進める大きな手がかりの1つになったりと、一筋縄ではいかない流れの数々が新鮮で面白かったです。

 

 まさに、霊障の怖さという直球ではなく、ストーリーの面白さという変化球で楽しませてくれる作品だと感じました。

 

 

 

 いやまぁ、霊障も怖かったですけどね…。

 耳元でデスメタルを奏でられたら、私はしんでしまいます…。

 

 

 

 

 

②心身ともに『無敵』なJK 2人組

 2つ目は、茅野と桜井の無敵さが印象に残りました。

 

 

 一番印象的だったのは、『File4』で、2人が「呪われるよりはましだよ」「ええ、心霊よりはイージーね」と話していたシーンです。

 

 前の『File3』では、霊障に襲われた2人でしたが、最後には「呪われてもなんとかなるもんだね」とまだまだ懲りない様子を見せていました。

 

 このことはつまり、2人は「殺人犯と話し証拠を得ることは、頑張ればなんとかなる霊障よりもさらにイージーな存在である」と認識しているわけです。

 

 

 私としては、本作品を読み進めるほどに「人って怖い…」と震えていました。

 殺人犯と会話するなんて考えたくもありません。

 そんな私にとって、この2人の発言はあまりにも衝撃的で、もはや笑ってしまいました。

 

 

 茅野は知識と観察・推理力を、桜井は身体能力と体術を、それぞれ有しています。

 しかしそれだけではなく、2人は、強靭、もっと言えば『狂気的』な精神力も有しているのだということが、この会話から垣間見えました。

 

 

 まさに心身ともに無敵というわけですね…!

 

 こんなサブタイトルをつけるのも頷けました(畏怖)。

 

 

 

 

 

③思い込みの怖さが描かれた『File2 黒津神社』

 3つ目は、最も印象的だったストーリーについてお話しします。

 

 本作品は霊障ごとに大きく4つのストーリーに分けられています。

 私はその中で、『File2 黒津神社』が一番印象に残りました。

 

 

思い込みって怖い

 この『File2』の物語では、「人の思い込みの怖さ」について描かれていると感じました。

 

 

 このストーリーの語り部の1人である杉本は、様々な思い込みをしていました。

 

 「自分には柔道の才能がない」「桜井には絶対に勝てない」といったことから始まり、「桜井は自分に謝るべきだ」「桜井は自分のことを覚えていない」と飛躍していき、果てには「才能のあるものは才能なき弱者を加害している」「どうして自分だけ」など、筋の通らないようなことまでも自分に都合の良いように解釈するようになっていました。

 

 

 また、茅野はノーシーボ効果により、杉本を精神的に追い込んでいました。

 この『思い込みの力で悪い相乗効果を生み出すノーシーボ効果』も、人の思い込みの怖さを物語っています。

 

 

 ここまでで嫌というほど人の思い込みの怖さを思い知らされました。

 人の思い込みは、思い込みをしている人自身の可能性を狭めたり、思い込みをしている人の行動によって周囲が害されたり、果てには死を生み出すことさえある、本当に恐ろしいものなのだなと、痛いほどよく分かりました。

 

 

呪いは思い込みじゃなくてよかったね!☆

 しかしそんな中最後は、杉本がなんらかの呪いの影響により交通事故に遭ってしまいます。

 このことは呪いが本物であったことを示唆していると言えます

 

 そしてこの結末は「散々思い込みをしていたけど、呪いは思い込みじゃなかったよ!よかったね!☆」という、盛大な皮肉なのではないでしょうか。

 思わず顔が引き攣ってしまいました…。

 

 

 人の思い込みも怖いし呪いも怖い!

 みなさん…謙虚に生きましょう…!

 

 

 

 

3. おわりに

 今回の内容は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

 余談ですが、正直なことを白状しますと、本作品を手に取ろうと思ったきっかけの半分は、表紙イラストです。

 

 もちろん『かわいい女の子×霊障系ホラー』という作風にも興味を惹かれたことは確かですが、しらび先生の可愛らしいイラストが大きく購買意欲をそそったこともまた事実です。

 

 

 しかしその結果、本文で述べてきたような感動を味わえる、素晴らしい物語に出会うことができました。

 

 かわいいイラストと面白い物語を同時に楽しむことができるとは、なんて素晴らしいコンテンツなんでしょう…!

 

 というわけで、今後もイラストを見てビビッときたらどんどん購入していこうと思います。

 

 

 では、今後もよろしくお願いします。

 

 

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