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【感想】「傲慢と善良」印象に残ったこと・感じたこと3選 〜『自立』することの大切さを学べる作品〜

1. はじめに

 マズラプです。216回目の投稿になります。

 

 今回は、小説「傲慢と善良」を読んだ感想を書いていきます。

 

 

 本作品を読んで、特に印象に残った以下の3つのことを挙げていきます。

①『自立』することの大切さ

②心配すること=信じていないこと

③今日待ってくれている人が明日も待ってくれているとは限らない

 

 

 どちらかというと、作品の紹介というよりは、感想や感じた魅力を書いて発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなというような趣旨の記事になっています。

 

 作者の 辻村深月 先生並びに関係者のみなさんに届け!この思い!

 

 作者の方に関わらず、読んでいただけるととても嬉しいので、どうぞ読んでいってください。

 

 

 

2. 「傲慢と善良」を読んで特に印象に残ったこと・感じたこと3選

①『自立』することの大切さ

 1つ目は『自立』することの大切さが描かれていると感じ、印象に残りました。

 

 この物語では、架と真実が、恋愛や婚活というテーマの中で、周囲の人間の意見、世間体、両親の干渉などにさらされ、自分の考えや価値観は本当に正しいのか、間違っているのではないか、自己愛が強すぎるのか、理想が高すぎるのか、などと思い悩む場面が多々ありました。

 

 しかし最終的には、真実は自分の価値観に従い自分の意思で架と結婚し、真実の思い出の場所で、2人だけで式を挙げました。

 

 

 この物語から、人生において『周りがどう思おうが、どう言おうが、自分のやりたいように行動し、自分が納得できるのが一番』と思うことが大切であり、そしてこのように思えることが真の自立なのだと感じました。

 

 架の「真実の両親にも、うちの両親にも、何も言わせない。それに、友達も家族も関係ない。これは、僕と君の問題だよ」や、真実の「今、本当に向き合いたい相手は一人だけだは、印象的でした。

 

 

 この作品を読んで、経済的に独立し、自分の価値観や考えを持ってそれを信じて人生を歩む、そんな『物理的にも精神的にも自立している』人になりたいなと思いました。

 

 

 

『課題の分離』

 またこのことは、「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え (岸見一郎, 古賀史健, 2013, ダイヤモンド社)」で述べられている『課題の分離』だと感じ、その点も印象に残りました。

 

 嫌われる勇気において、課題の分離について以下のように述べられています。

われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。

 

およそあらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと__あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること__によって引き起こされます。

 

誰の課題かを見分ける方法はシンプルです。「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考えてください。

(「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え (岸見一郎, 古賀史健, 2013, ダイヤモンド社)」より引用)

 

 

 そして、課題の分離において、最も重要な点ことが以下のように述べられています。

 

自らの生について、あなたにできるのは「自分の信じる道を選ぶこと」、それだけです。一方で、その選択について他者がどのような評価を下すのか、これは他者の課題であって、あなたはどうにもできない話です。

(「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え (岸見一郎, 古賀史健, 2013, ダイヤモンド社)」より引用)

 

 要するに、自分の価値観に従い、自分が納得できる選択をとることが大切であり、その選択を他者がどう思おうが、自分には関係ないということなのです。

 

 友達に批判されようが、結婚相談所の方に苦言を呈されようが、親に反対されようが、自分が納得した選択であれば、何も問題はないのです。

 むしろ自分が納得できているのであれば最高の選択と言っていいでしょう。

 

 

 本作品に込められたメッセージは、この『課題の分離』にも通じるところがあり、そういった意味でも素晴らしい作品だなと思いました。

 

 

 

 

②心配すること=信じていないこと

 2つ目は、心配することが必ずしもその人の助けになるとは限らないということが印象に残りました。

 

 本作品では、真実の母、陽子の真実に対する過剰な『心配』がもたらす影響についても描かれていました。

 希実が「『心配』を暇潰しための『道楽』」と揶揄していたり、「自分の不安を優先して子どもを信じなかった、子どもが自分で決めるまで待てなかったうちの親をますます許せない」と怒りを口にしていたことがとても印象的でした。

 すぐに手助けするということは、自分の不安を解消することであり、すなわち自分のための行動とも言えるのですね。

 

 「心配し手助けをすることが、必ずしもその人の助けになると限らない」「心配することは信じていないこと」「選択を待つことは信頼していること」など、多くの学びを得ることができました。

 

 心配する気持ちをグッと抑えて、相手を見守ることもできるようになりたいなと思いました。

 

 

再び登場『課題の分離』

 実は、このことにも、前述した『課題の分離』が関係しています。

 

 嫌われる勇気では、以下のようにも述べられています。

 

子どもは独立した個人です。親の思い通りになるものではありません。進学先や就職先、あるいは日常の些細な言動でも、自分の希望通りには動いてくれないのです。当然、心配にもなるし、介入したくなることもあるでしょう。でも、先ほども言いましたよね。「他者はあなたの期待を満たすために生きているのではない」と。たとえ我が子であっても、親の期待を満たすために生きているのではないのです。

 

信じるという行為もまた、課題の分離なのです。相手のことを信じること。これはあなたの課題です。しかし、あなたの期待や信頼に対して相手がどう動くかは、他者の課題なのです。そこの線引きをしないままに自分の希望を押しつけると、たちまちストーカー的な「介入」になってしまうのです。

 

(「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え (岸見一郎, 古賀史健, 2013, ダイヤモンド社)」より引用)

 

 このように、人生の選択をしようとしている子だけでなく、その子の親もまた、『課題の分離』をすることが大切なのです。

 

 「傲慢と善良」の陽子の言動は、こちらの引用文の内容を想起させる内容であり、とても印象的でした。

 

 『子供を信じ、選択を待つ』ことも、親の役目なのではないでしょうか。

 

 

 

③今日待ってくれている人が明日も待ってくれているとは限らない

 3つ目は、石母田の「相手が、明日も待ってでけると思うのは、図々しいっちゃ。急にそれがでぎなぐなった人だぢ、わたしもうんと、見でぎだから」というセリフが印象に残りました。

 

 この言葉を含め、この物語には「今日待ってくれている人が明日も待ってくれているとは限らない」というメッセージも込められていると感じました。

 

 

心変わりすることだってある

 この物語のことの発端は、架が真実との結婚になかなか踏み切れなかったことです。

 架がなかなか結婚する決意を固められなかったが故に、真実の不安を増幅させ、果てには真実に嘘をつかせることになってしまったとも言えるでしょう。

 

 このことは、架が自分の気持ちのみを優先し、相手の気持ちを蔑ろにしてしまったことが原因であると考えられます。

 もちろん結婚は人生において大きなイベントなので悩むのも仕方がありません。

 しかしながら、結婚そして恋愛は、相手も存在して初めて成り立っています。自分が悩んでいる間は相手を待たせているのだということをもっと意識するべきだったと言えるでしょう。

 

 このことから、「今日待ってくれている人は明日も待ってくれているとは限らない」と言え、即座に行動することの大切さが分かりました。

 

 

いなくなってしまうことだってある

 また、上記で挙げた石母田は、東日本大震災の被害を受けた地域の住民でした。

 震災に限らず、事故や事件、病気などで、日常が崩れ去ってしまうこともあります。

 明日も今日と同じような日常が繰り返されるとは限らないのです。

 

 たとえ心変わりしなかったとしても、不慮の事態により、明日にはその人自身がいなくなってしまうだってありえるのです。

 

 このことからも、即座に行動することの大切さが分かります。

 

 

 これらのことから、「今日待ってくれている人が明日も待ってくれてているとは限らない」ということを忘れてはならないと感じました。

 まさに『善は急げ』というわけですね。

 私も肝に銘じて生活していこうと思います。

 

 

 

 

3. おわりに

 今回の内容は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 「傲慢と善良」は、これから選択をしていくような若い方、婚活をするような年齢の方、子供を持つ方など、さまざまな年代の方のためになる作品だと感じました。

 今後もより多くの方に読まれることを切に願っています。

 では、今後もよろしくお願いします。

 

 

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追記

 辻村深月さんのかがみの孤城の感想も書きました。

 

 気になる方はこちらもどうぞ!

 

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4. 参考文献

・「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え 」(岸見一郎, 古賀史健, 2013, ダイヤモンド社)

 

 

 

 

 

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